2026年9月25日

ホームビデオを永遠に失ったかと

うちの息子が古いVHSテープのホームビデオをMP4ファイルにしてもらったという話を書いたのは、もう半年近くも前のことです。詳しい話は「ほっそーい!わっかーい!」を読んでいただくとして。

きっかけは、息子が昨年岡山の実家に行った時に見つけた自分が子供の頃のホームビデオのVHSテープが、カビがひどくて視聴不可能になっていたことでした。

ホームビデオをまとめたVHSテープは、日本の家族に送るものとは別に自分達用のも作っていましたが、確認してみると我が家にあるVHSテープにはカビは生えていませんでした。

VHSテープというのは時間とともに劣化して20~30年で寿命が来ると言われています。劣化したテープは切れてしまう可能性もありますから、息子は自分が子供の頃のホームビデオが永遠に失われてしまう前に何とかしようと思ったようです。

私達が住んでいる家からそれほど遠くない町で、VHSテープのデジタル化をやっている人がいると聞き、とりあえず3本だけMP4ファイルにしてもらいに行きました。その人は、オジイサンでした。お小遣い稼ぎに自宅でやっているとのことでした。1本25ドルという料金でやっていました。

3本のうちの2本は比較的画質は良かったのですが、1本は劣化のせいかテープの方式の違いからか白黒になってしまっていて、画像がひどくぼやけていました。白黒になっていたのが残念だったので、息子は残りのVHSテープはプロの業者に頼むことにしました。

キャンバーウェル(Camberwell)という街にある業者の店舗にVHSテープを10本持って行きました。

これが心配の始まり!

この時、この業者は閉店作業中だったんですよ。商売が上手く行っていなかったようで、店舗の家賃が払えなかったのです。

MP4ファイルへの変換は自分の家でしてくれると言いましたが、1本80ドルというぼったくり料金。ビデオが短かったら割り引きするという条件だったそうです。こういう状況での交渉が苦手な息子は、そのままVHSテープを置いて来たと言いました。

私は嫌な予感がしたんですよ。つぶれる寸前の業者が、客をだましてお金だけ受け取り姿を消す、良くある話です。キャンバーウェルの男とは、その後連絡がつかなくなりました。

店舗はもちろん空っぽになっています。2週間が過ぎ、4週間が過ぎても連絡はなく、「こりゃあだまされたな」と私は思いました。料金は後払いだったので、お金をだまし取られたわけではありませんが、ホームビデオを永遠に失ってしまったかもしれないということで息子は心配していました。

子供達が幼かった頃のビデオだけではなく、私の結婚式のために両親がメルボルンに来た時のビデオや、子供達が生まれた時に病院で撮ったビデオなど、大切な思い出のホームビデオです。オリジナルのビデオテープが行方不明なので、VHSテープを失うとオシマイです。

1ヶ月以上が過ぎてすっかりあきらめていたところ、息子が再びキャンバーウェルの男に連絡を取ると、今度は返事があったそうです。MP4ファイルへの変換が完了したと言うのですけど、

なんで今まで連絡して来なかった?

料金は700ドル近かったです。料金を振り込めばMP4ファイルとVHSテープを郵送してくれるということでしたが、私はこの男のことを信用していませんでしたので、「私だったら物々交換でないとお金は払わない」と息子に言ったんです。

息子がどういう交渉をしたのか知りませんが、物々交換をすることになったそうです。そして、息子がその男の家まで取りに行くのではなく、男が私達の家まで持って来るということになったのですよ。

ホントか?

約束の時間に家に居るために、息子は仕事を1時間早退して帰宅しました。息子は現金を用意して待っていましたが、私は疑っていました。人を信用しては裏切られるという経験を繰り返しして来ているうちの息子が、またガッカリさせられるんじゃあないかと思っていました。

そして、約束の時間を少し過ぎた時、玄関のチャイムが鳴ったのです。キャンバーウェルの男は、ちゃんとやって来たのでございますよ。

MP4ファイル(全部で25ギガバイト)が保存されたメモリースティックを渡され、全てのVHSテープが無事に手元に戻ったのです。息子は料金を現金で支払い、キャンバーウェルの男も現金を手にして嬉しそうでした。


キャンバーウェルの男が悪い人ではなかったのは良かったのですが、MP4ファイルに変換された動画を見てみると、お小遣い稼ぎにやっているオジイサンが変換してくれたものと画質に変わりはありませんでした。

オジイサンがやって白黒になったビデオは、キャンバーウェルの男がやっても白黒でしたから、原因は変換方法ではなかったのです。

無駄に3倍ものお金を使ってしまったと息子は言いましたが、まあ無事にビデオが戻ったんだし、デジタルしたホームビデオを今後失うことは無いと思いますから良かったです。


上の写真は、生まれたばかりの妹を抱く息子。ボケボケですけど、実際には画質はもう少し鮮明です。この時も、もちろん写真は撮りましたけど、ビデオではこの時の会話が記録されていますからね、写真では残らない感情が伝わります。

今回変換したホームビデオは、来月再び日本に行く時に岡山のおばあさんにあげるんだそうですよ。息子のことだから、おばあさんがちゃんと見れるようにしてくれるはずです。


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