2024年12月6日

夫の目がさらに悪化

先日、うちの夫がお客さんに道具を貸しました。よく知っている人だったらしいですけど、解体用の大型電気ハンマーが仕事でどうしても必要だったその日に、その人が持っているのを誰かが借りて行っていたとかで、仕事に支障が出て大変困っておられたそうで。

1,500ドルくらいするその道具を、その日の仕事のためだけに新しく買うというのも無駄な出費ですから、うちの夫が持っているのを貸してあげることにしたんだそうです。

どうしてうちの夫が解体用の大型電気ハンマーなんかを持っているんですかねえ。ホントに使いもしないのに道具をいっぱい持っているのでございますよ。

夫は勤めているツールショップからうちの息子に電話をして来て、その大型電気ハンマーをお店まで持って来てくれと頼みました。息子がいなかったら私がさせられるところでした。

解体用の大型電気ハンマーというのはむちゃくちゃ重たいんです。収納や移動にも便利な黒い樹脂製のキャリーケースに入っていますが、キャリーケースは1メートル近い大きさでしたよ。息子に頼んだのは、あんなものを買っていたことを私に知られたくなかったのかもしれませんね。

それはともかく…

お昼過ぎに、貸してあげた人が我が家まで返しに来られました。大きいし重たいし、とりあえず玄関に置いておきました。

驚くべきことが起きたのは夕方です。夕方とは言ってもまだお日様が照っていました。最近の日没は8時半頃ですから。

仕事から帰宅した夫がキッチンに入って来ました。

「おかえり!誰かが電気ハンマーを返しに来たわよ」
「そう?いつ頃来た?」
「お昼過ぎだったと思う」
「どこにあるの?」
「(え?… )玄関に置いといたけど」

夫は玄関に戻って大きな声で言いました。

「どこに置いた?」

言っときますけど、我が家の玄関は狭いです。日本のような玄関という部屋があるわけではなくて、ドアを開けるとその前に1畳半ほどのスペースがあるだけです。そこに靴を入れているキャビネットがあって、電気ハンマーのキャリーケースはそれに立てかけてありました。

夫は玄関でキョロキョロしていました。

「ここにあるじゃん」
「ああホントだ」

この出来事のどこが驚くべきことだったかと言うと、すぐ目の前にある大きな黒いキャリーケースが夫には見えていなかったということです。普通の人なら、玄関のドアを開けたらすぐに見えると思うんですけど。

青黒っぽいカーペットを背景にした黒いケースは、すぐには見えないみたいですね。「ここにあるじゃん」と指さしたら「ああホントだ」と言ったので、見えることは見えるんでしょうが、言われないと気が付かないほど夫の目は見えていないのですよ。

実はその翌日にもびっくりすることがあったんです。晩ご飯はキッチンのワークトップに並べておいて各自が自分でお皿に取るようにしたんですが、夫は大根のサラダを取っていませんでした。

「大根のサラダもあったのに、食べないの?」
「あれ大根のサラダだったの?ヒロコがお昼に食べたヌードルの残りかと思った」
「(はあ?... )」

大根のサラダというのは、下の写真のサラダです。大根と人参とカニカマを酢の物にしようとしたのを気が変わって胡麻ドレッシングで和えたものです。これがヌードルの残り物に見えたのか…



最近何だか本当にびっくりさせられることが増えているんですよ。「これが見えないの?」なんてことは言わないようにしていますけど、驚かされるんです。「こんなに見えていないのにどうやって仕事をしているんだろう?」と思います。

どのくらい見えていないのか、見えている物がどのように見えているのか、私には想像が出来ません。

薄暗いとほとんど何も見えないらしいですが、明るくても眼の前にある物が見えていなかったり色の違いがよく分かっていないことがあります。10セントコインと2ドルコインの区別がつかないというのは、かなり見えていません。

同じような色を背景にしている物は見えないみたいです。白いお皿に付いたチーズは見えません。髭剃り後にシンクのまわりに毛が散っているのなんかも見えないみたいですから、私は黙って掃除をするのです。

爪切りなんていうのは、指で触れた感覚を頼りにやっているそうですよ。

それなのに、文字を読むことは出来るんです。本を読むことは難しいのですけどね。

とにかく、夫の目はさらに悪化しています。ツールショップで大きなミスをしても不思議ではないです。


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