2011年10月27日

サチの誕生日

今日は、私の娘サチの誕生日。13歳になった。いよいよティーンエイジャーになったということだ。

もう13年にもなるのか。

あの日、私は予定日を2週間も過ぎているのに全く生まれる兆候が無く、お腹は大きくなる一方で、歩くことすら困難になっていた。13年前の今日、いつも診てもらっていたカラザース医師に相談し、この日の午後に生ませてもらうことにしたのだった。破水させることで陣痛を誘発させるということだった。

ランチをすませて病院に行き入院。長いスティック状の道具を使って破水させ、これで陣痛が始まるはずだが、陣痛をおこりやすくするために病院内を歩けと言われ、私は歩いた。巨大なお腹を抱えるようにして。

途中でトイレに寄ったら、そこで陣痛が始まり、あっという間に動けないほどの痛みになった。渾身の力を振り絞って自分の病室に戻ったが、ベッドにたどり着く前に動けなくなった。痛みをこらえるだけで精一杯。
「ナースを呼ばなくては!」でも声も出せないのだ、痛くて…。
ベッドの横にあるボタンを押そうにも、そこまで動けないのだ、痛くて…。
破水させてから、まだ30分もたっていなかった。

夫は、陣痛が始まるまでの時間を使ってランチを食べてくると言って出かけていた。

私は、病室のドアとベッドの中間あたりで、ただ痛みをこらえるのに必死。あと数歩でベッドにたどり着けるのに、その数歩が歩けない。

そこへやってきたナースは、「あーら、こりゃもう分娩室へ行った方がよさそうね!」と言って他のスタッフを呼んだ。
「夫を呼んでください!ランチに出て行ってるんです!携帯の番号は、…」
ついさっきまで病院内を歩いていたのに、この急展開に私も気が動転していた。

分娩室へ入って、医者がやってきた頃にはもう生まれそうだった。しばらくして、やっと夫が帰って来た。もうすぐ生まれそうだと聞いてびっくりしていた。私は、いきみを我慢するのに必死だったが、夫が「もういきんでもいいらしいよ」と言った。

ああ、やれやれと思っていきんだら、2回目のいきみでサチが生まれた。破水させてから2時間もたっていなかった。

サチは、こんな小さい私の体から出て来たことが不思議なほどの大きな赤ちゃんで、体重が4キロもあった。医者は「リトル相撲だ!」と言った。あんまり太っていたので、可愛い赤ちゃんというのとはほど遠く、生まれたばかりのサチを見た夫は、「あーあ…」と思ったと言う。

その娘が13歳になった。今は、私よりも10センチも背が高い。

今日は、バーベキューにして欲しいとのリクエスト。カバブとタコを焼いたのが食べたいと言う。彼女が好きなポテトサラダも作った。バースデーケーキは毎年同じリクエスト。サチは、ブラックフォレストケーキが好きなのだ。毎年毎年作り続けて、私の得意料理の一つとなっている。




美味しそうにいっぱい食べるサチを見ていて、彼女が幼かった頃を思い出した。子供って、本当にあっという間に大きくなっちゃう。なんだかちょっぴり寂しい。




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