2011年10月17日

明日から仕事に出る

ここ数年の我が家のキーワードは、正直言うと「うつ」「不安症」「ひきこもり」「生活苦」「経済的困窮」…とかなり重い言葉が並ぶ。特に「うつ病」は、私が自分の暮らしを語ろうとする時、切り離せないキーワードだ。

私が具合が悪くなり始めたのは、もうすぐ15歳になる長男のカイが生まれてすぐの頃。マタニティーブルーと呼ばれる産後うつ病とは違うが、ホルモンのアンバランスというのは影響していたのだろう。私は地元の小学校で日本語教師をしていたが、ストレスでやめざるを得なくなった。次の日学校へ行くのが辛くて毎晩泣いていたのだ。

その後、長女のサチが生まれた頃には、夫とともに自宅から日本語教材を販売するビジネスやっていた。自宅の唯一の電話を仕事にも使っていたために、毎日電話がなりっぱなしで、電話恐怖症になった。車を運転するのも怖くなった。人に会うのがおっくうで、家族だけで家にいる時が一番楽しかった。

夫が新しいビジネスを始めてほとんど家にいない生活が始まり、私はほぼ一人で子供達を育てなくてはならなくなった。夫が始めたビジネスのために、翻訳、グラフィックデザイン、ウェブサイト制作、法律の勉強…と、 仕事は山のようにあった。毎日、一人で家事と子育てと仕事とに追われて、もういっぱいいっぱいの生活。

そして、夫が銀行や友人から多額の融資を受けてビジネスをもっと大きくしようとした頃、私は本格的に具合が悪くなった。子供達の学校への送り迎えが最大の苦痛となり、とにかく買い物に行ったスーパーの中でも泣いていた。(それでも、うつ病ではないと言って、医者に診てもらわなかった。)7年前のことだ。

夫のビジネスのために家族で日本に長期滞在することになって、家族が一緒にいられる時間が増えた。子供達も楽しそうに日本の小学校に通っていた。ビジネスもうまく行っていた。それなのに私のコンディションは徐々に悪くなり、理由もなくとにかく憂鬱で家から出られなくなった。「これは病気だ」と、やっと自覚した。

それから6年。今年、私は抗うつ薬を飲むのをやめることができた。もちろん医者の指導のもとに数週間をかけて徐々にやめていったのだ。そして、明日から仕事に出ることになった。

普通の人が新しい仕事を始めるのと、「うつ」でずっと家にいた人が新しい仕事に出るというのは、かなり緊張の度合いが違う。私は、今とても緊張している。でも、「頑張れ!」とは自分に言わない。「大丈夫!なんとかなる!」と思うようにしている。


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