私がうちの夫に出会った頃、彼はパニック障害で生活が制限されていたため、大学も途中止めしていたし、仕事もできないしで、両親と妹弟が住む家の離れ(コテッジと呼んでいた)に住み、こつこつとコテッジのリフォームなどをやっていました。つまり無職のひきこもりだったわけです。
結婚後もパニック障害はなかなか良くならず、一緒に暮らしている私も大変苦労しました。発作が起きて苦しむ様子を度々見ているうちに、いつ発作が起きるのかを常に心配するようになり、私自身が不安症を患う引き金にもなりました。
息子が生まれた頃からは特に酷くなって家から出られなくなりまして、医者に診てもらいに行くのも大変な苦労でした。
夫のパニック障害は「トイレに行きたくなった時に行けない状況になることへの強い不安」というのと強く結びついていました。うちの娘と同じです。いろいろと避けていた状況がありましたが、中でも運転中に交通渋滞に巻き込まれて前にも後ろにも行けなくなるというのが最悪でした。
そんな夫ですが、パニック障害からはすっかり回復し、いまでも交通渋滞は苦手ですが、ほぼ普通に暮らしています。
さて、
今朝は、うちの娘がショッピングセンターで友達と待ち合わせていました。一緒に食事や買物を楽しむ予定だったのです。ところが朝から様子がおかしく、異常にピリピリしていました。次第に不安が増してきて、ショッピングセンターまで自分で行くことができなくなったので、私が車で送って行きました。
ところが、ショッピングセンター手前の交差点で前も後ろも横の車線も車に囲まれて身動きができない状況になった時、「あああ、ダメだ、ムリだ」と声を上げ、「お母さん、手!手!」と言って私の手をきつく握りしめ、「あああ、早く動いて」と苦しみに耐えているのです。
かつての夫とそっくりな様子に、私も一気に心臓がバクバクし始めたのでした。
なんとかショッピングセンターに着くなり車から降りて走って行ってしまいましたが、おそらくおトイレに行ったのでしょう。家を出る直前に何度も行っているんですよ。
本当に可哀相です。
夕方、夫が仕事から帰ってきた時、晩ご飯を作ってくれていた娘のいる所で夫にその話をしました。かつての夫とまったく同じようだったと。
話を聞いた夫が、娘に言いました。
「そして、知っていると思うけど、その病気は治るんだからな」
「うん」
そうか…
そうだな、そのとおりなんだ。
今はつらくても、かならず治るんだから。
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