2026年3月15日

うちの娘の遺言

昨日の土曜日の夕方、仕事を終えたうちの娘が突然やって来ました。大事な話があると言うのです。仕事から帰って来ていた息子も一緒に、私達家族4人はテーブルを囲んで座りました。

さて、大事な話とは一体何かと思ったら、

娘の遺言についてだったんですよ!

現在27歳の娘は、正式な遺言を作成するために木曜日に弁護士に会ったんだそうです。弁護士に会うなんて私達夫婦もしたことがないですよ。それに、まだ若いのに、いったい何故?

「なんで遺言を書こうと思ったわけ?」と聞きましたら、親友のCちゃんから聞いた話が原因だそうです。

Cちゃんは看護師で、メルボルンの大きな病院の救命救急センターに勤めているんですが、外傷などで運び込まれる人達には若い人も多く、そうした人達の中には意思表示が出来なかったり自分で判断が出来ない状態になる人も多く、そうなると医療同意の問題が発生するんだそうです。

命が助からない場合には、病院側は臓器の提供について話をする必要があるわけですが、同意を誰に任せるのかという問題が出て来るそうです。本人がドナー登録をしているのに家族が認めないという場合もあるわけですよ。

そうした話を聞いた娘は、自分はそのような状態になりたくないということで、医療同意を誰に任せるのかを正式な書類にすることにしたので、これを機に正式な遺言も作成することにしたそうなんです。

医療同意に関しては、父親であるうちの夫に任せることに決めました。オーストラリアのシステムをよく理解しているからです。夫が出来ない場合は私です。そして、娘は自分が臓器提供者であることを再確認しました。役に立つものは全て提供することを希望しています。それは私達も理解しています。

そして、娘は献体も考えていると言いました。

うちの夫が、死後にメルボルン大学医学部に献体することについてはこのブログでも何度か話題にしました。

登録の申込みをしたのは昨年6月。1ヶ月後には受け入れの連絡が来て、献体の登録は完了しています。亡くなったら、メルボルン大学に連絡しますと大学が遺体の搬送を手配してくれるそうです。費用も大学が負担するのです。家族にとっては、夫の遺体がその車に乗った時がお別れになるそうです。

死後の献体は、医学の役に立ちたいという気持ちからですが、夫は費用の節約のためでもあると言います。オーストラリアでは、遺体の搬送や火葬だけでも高額な費用がかかるのです。夫は葬儀も希望していませんので、家族への経済的な負担は発生しません。

何ヶ月か何年か後、全ての利用が終了した後に火葬され、家族は遺灰を引き取ることが出来ます。引き取らない場合は所定の場所に撒かれます。うちの夫の遺灰は家族が引き取り、夫の希望通りに実家の牧場の丘の上に撒いて木を植える予定です。

うちの娘も献体することを考えていると分かって、私はびっくりしませんでしたよ。いかにも娘らしいです。夫と娘は考え方が似ているのですよ。息子と私は違うんですけどね。


遺言の方は、誰が遺言執行者になるかを決める必要がありましたが、うちの夫がなります。娘は自分の遺産の一部を寄付するつもりなので、家族が全てを相続出来るわけではないことを理解して欲しいと言いました。私達は娘が望むようにして欲しいと伝えました。

遺言というのは、もちろん必要に応じて随時更新する必要があります。娘に家族が出来たり、うちの夫が亡くなったり、状況が変われば書き直す必要がありますからね。

遺言が完成したら、遺言執行者になるうちの夫も一緒に弁護士の事務所に行って署名することになるそうです。

私達家族は、度々こういう話をしているんです。気が変わることもありますので、機会がある度に医療同意が出来なくなった時や死んだ時にどうして欲しいかということを話し合っているわけですが、娘は正式な書類にすることにしたというわけですよ。

うちの息子はこういう話が苦手なので、いまだに自分はどうして欲しいのかを話してくれたことがありません。だから、もしもの時にどうしたらいいのか私達は知りません。臓器を提供するつもりがあるのかどうかも知りませんので、いざとなったら悩むでしょうね。

やっぱり話し合っておくことは大事です。


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