尊厳死に関する問題は、このブログでも度々話題にしてきましたが、ヴィクトリア州では、一昨年の2017年11月に自発的安楽死を合法化するための法案が可決されました。
法案が可決されてから今日までの一年半で組織とシステム作りが終わり、今日から自発的安楽死が可能になりました。
ヴィクトリア州内に12ヶ月以上在住するヴィクトリア州民が対象です。
病院などの医療機関に行かなくても、自宅で、家族や友達に囲まれて最後の時を迎えられるようなシステムができています。自宅に届く2種類の液体薬を混ぜて飲むことで静かに永遠の眠りにつくことができるのだそうです。
この薬を飲み込むことができない場合は、別の方法が選択できます。その場合、第三者の証人の立ち会いのもと医師が援助します。
ヴィクトリア州の多くの病院では、安楽死を希望する終末期患者の希望をかなえるため、医者が安楽死を援助することはすでに行われていました。つまり、医師たちは不法なことだと承知の上で安楽死の援助をしていたわけです。 自発的安楽死が合法となったことは、医師にとっても重要なことです。
今朝、ニュースを聞きながら、
ついにスイスまで行かなくても自分の命の終わり方を自分で決めることができるようになったか…
と思ったのですけど、実際にはそんなに簡単ではありません。
この制度を利用した犯罪を予防するためにも、厳しい条件がいくつもあるのです。もちろん、安楽死を申請できるのは本人だけです。判断力を失っている場合には、当然申請できません。
生命予後が6ヶ月以下、多発性硬化症や運動ニューロン疾患などの神経変性症状の場合は12ヵ月以下という条件もあります。
患者本人の死を選択する意志も、繰り返し確認されます。
それでもね、
耐え難い痛みや苦しみに直面する末期患者が、自分の命の終わり方を自分で決めることができるようになったことは、本当に良かったと思います。
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