オーストラリアでは、家庭ごみの処分がとても簡単です。
各家庭には3種類の大きな容器が自治体から支給されます。(実際には購入することになり、容器代金とごみ処理費用を自治体に支払うという形になります。)
一つは、埋め立て地行きとなる普通のごみで、これは毎週収集されます。後の二つは、隔週に交互に収集される、庭から出る植物性のごみとリサイクルごみです。
ごみ収集や処分は、自治体と契約したごみ処理&リサイクル業社が行います。自治体は相当なお金を支払っています。
埋め立て地行きとなるごみは、埋め立て地周辺の臭いが問題にはなります。植物性のごみは粉砕されて堆肥となり、利用されます。
問題なのはリサイクルごみ!
リサイクルごみは、以前は分別していましたが、現在は全て一緒くたに大きな容器に突っ込みます。PETボトル、ガラスびん、アルミ缶、スチール缶、プラスチック、紙製品、そうしたものです。
これにリサイクルできないものまで突っ込んで出す人もいたりしますから、分別作業は大変だろうと思うのです。
このリサイクル事業がですね、
破綻寸前であるらしいのです!
昨年、ABCのドキュメンタリー番組でも取り上げられておりましたが、汚職や不正も横行しているとのこと。真面目にやっている業社は破綻寸前で、不正をやっているところは高額のリサイクル処理料金を自治体からせしめながら、リサイクルせずに埋め立てていると言うのです。
とにかく人口が少ないオーストラリア、人件費も高いのでリサイクル業は費用がかかり儲かりません。処理施設を作るにも費用がかかりすぎるし、ごみを再処理して作った製品は高価になるので売れないし、割に合わない訳です。
オーストラリアがリサイクルしているのは新聞紙くらいで、プラスチックとかガラスとかその他のリサイクルごみは中国に輸出していたそうです。
ところが中国が、そうしたリサイクルごみの輸入を禁止しました。
そのために、オーストラリアで収集したリサイクルごみを買ってくれる所がなくなっちゃったのです。
収集され、分別され、小さく砕かれて袋に詰めた(ここまで費用がかかっている)ガラスやプラスチックなどは、
じゃあどうなっているのか?
業者の倉庫にどんどん溜まっているのよ。売れないんだからどうしようもない。
倉庫が一杯になったらどうするの?
倉庫を拡張するか、新たな保管場所を見つけるかしかないでしょう。
リサイクルごみをリサイクルせずに倉庫に溜め続けていくというのは、無理がありますよねえ。だから、不正にこっそり埋めちゃうという業者が出てくるわけです。
クイーンズランド州には、鉱山の跡地がたくさんあります。オーストラリアの鉱山は、露天掘りと呼ばれる、坑道を掘らずに地表から渦を巻くように大きな穴をほっていく方法が主流ですから、そういう穴にごみを埋めているのです。
夜、人目につきにくい時間帯に、大量のごみがクイーンズランド州へ運ばれているんですって。そのABCの番組で取り上げられていたのは、シドニーのあるニュー・サウス・ウェールズ州のリサイクルごみでしたから、ヴィクトリア州のリサイクルごみの行方はよく分かりません。
しかし、売れない、誰も買ってくれないとなったら、倉庫に保管しておくしか、不正に埋めちゃうかしかないでしょう。
こういう事情を知ってしまうとね、リサイクルできるごみをリサイクルごみ用の容器に入れずに最初から普通のごみとして出す、つまりリサイクルしようという意識がなくなるのも、仕方がないです。
オーストラリアには、ごみを埋める場所はいくらでもあるんだから、埋めたら良いじゃないかと言う人も多いです。どうせ、そのうち人類は滅びるんだし、それまで埋め続けても大丈夫なほど、ごみを埋める場所はいくらでもあるじゃないかと。
そっ、そうかなあ…。
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資源はいつか枯渇する時期がやってきますよね・・・
返信削除そしたら「遠い祖先が昔この辺にゴミとして埋めてたらしいぞ」などと言って
ゴールドラッシュならぬゴミラッシュが起きるかもしれませぬ。
タワゴトですけど(^_^;)
庭から出る植物性のゴミを堆肥にするというのは進んでいますね(=^・^=)
その堆肥は一般向けに安く売られていたりするのですか?
植物性のごみから作られた堆肥は、袋などに詰めず、直接トラックに積んて運ばれ、農業に使用されたり自治体の管理する公園や公共のガーデンとか道路沿いの植物帯の整備とかに使われていると聞きました。
削除愚問でした。
返信削除それはそうですよね。納得しました(=^・^=)
そういうシステム、日本でもあればいいのにと思いました。