陰謀論の深い穴に落ちた友人の話の続きです。こういう楽しくない話はもう結構という方は、どうぞ下のリンクをクリックしてからお帰りください。今日もこのブログを読みに来てくださってありがとうございました。

さて…
その友人ですが、心の優しい良い人なのですよ。教養のある人で、産業エンジニアとして活躍して来た人ですが、最近は仕事の依頼がなくて無職の状態だそうです。
リタイアしても十分な蓄えがあるから暮らしには全く困らないはずですけど、仕事をしていないので毎日時間が有り余っているわけです。そして何をしているかと言うと、陰謀論者達のYouTube動画やポッドキャストを聞いているのです。
インターネットで特定のコンテンツにアクセスすると、ブラウザがアルゴリズムによってアクセスしたコンテンツに関連のある情報やサイトを表示しますから、フェイクニュースや陰謀論を次々と辿って行くことになるんですよ。そして、いつの間にか深くのめり込んでしまう人がいるのです。
こういう状況を「ウサギの穴(Rabbit Hole)に落ちる」と表現することがありますが、不思議の国でアリスがウサギの穴に落ちて行くように、この友人は極右の陰謀論の穴に深く落ちてしまったわけです。もう出て来れそうにありません。
この友人は、最近キャンディス・オーウェンズという人物に心酔していて、その人のポットキャストに夢中になっているようです。オーウェンズ氏は、米国人の黒人女性です。オーストラリア政府が「ヘイトメッセージを拡散し社会の不和を煽り立てる人物である」として入国ビザを出さなかったことで世界的なニュースになった人ですよ。
オーストラリア国内で講演ツアーを計画していたそうですけど、オーストラリア政府は入国させませんでした。
詳しいことは知りませんが、極右の保守系政治インフルエンサーであると説明されています。元々は保守派ではなく、ドナルド・トランプや共和党には批判的だったのに、一夜にして保守派に転じたそうで。
根拠を示さずに人種民族差別的な意見や主張を繰り返して来た人です。それが過激であればあるほど注目されますので、次第に名前を知られるようになって、名声と富を得て来たようですけど。
この人は陰謀論も広めているのですよ。アポロの月面着陸がでっち上げだったとか、フランスのマクロン大統領夫人は元は男性だったとか、ケネディ米大統領の暗殺にイスラエルが関与したとか、そういう根拠のない陰謀論です。
ホロコーストの残虐行為のいくつかは実際には起こらなかったとか、イスラム教徒が奴隷制を始めたとか、米国内の黒人に対する警察の暴力は人種差別ではなくて捏造だとか、民主党が中絶に寛容なのはアフリカ系米国人を絶滅させるためだとか、書き上げるときりがないですけど。
このような人物であるキャンディス・オーウェンズ氏をですね、「本当に素晴らしい」「将来は大統領になるだろう」と心酔している友人を見ていると、オーストラリア政府が入国ビザを出さなかったのは正しい判断だったと思いますよ。この判断は野党も指示しているんです。
それにしても、本当に信じられません。友人がどうしてこんな陰謀論を本気で信じるようになってしまったのか。これからどうなって行くんでしょうか。
友達付き合いが難しくなって来たのは事実です。以前のように晩ご飯に招いて会話を楽しむなんて、もう出来ないですよ。陰謀論を聞くのはまっぴらですからね。本当に残念です。
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