2012年9月14日

お葬式

お葬式が楽しかったと言ったら語弊があるが、亡くなった人の人生を祝福し、その人の人柄を良くなかったところも含めて面白おかしく懐かしみ、笑い、そして泣き、見送った後は美味しいものを一杯食べて、終わった後に気持ちの良いお葬式というのは初めてだった。

先週亡くなった夫の友人のお葬式である。

最前列には、亡くなった友人そっくりの男性が座っていた。後姿は、まさに瓜ふたつで、それが彼の息子であることは一目で分かる。そして、その横には今年亡くなった彼の妻にそっくりな女性が座っていた。長年音信不通となっていた彼の二人の子ども達だ。

私の夫の追悼のスピーチが素晴らしかった。多くのエピソードを交えて亡くなった友人について語った。集まった大勢の人達に彼のことを思い出させ、笑いと涙にあふれた素晴らしいユーロジーだったと思う。

途中何度も涙をぬぐっていた彼の二人の子ども達は、スライドショーが始まると声を上げて泣き崩れ、私はもらい泣きした。

何が原因で何年も音信不通になっていたのか、何が原因で最後まで父親に会いにも来なかったのか、私は知らない。

しかし、葬儀での二人の様子から感じるのだが、何が原因だったにせよ、おそらく深く後悔することになるのではなかろうか...。

亡くなった友人は、ネグレクトと虐待の子供時代だったと聞いた。母親から愛されなかった彼は、妻を心の底から愛していた。その最愛の妻が若年性痴呆症を患って若くして記憶をなくし、廃人同様になって亡くなったのは数ヶ月前のこと。

愛する妻の後を追うように亡くなった友人。天国で彼女に再会し、うれしそうに微笑んでいる様子が目に見えるようだ。

葬儀は、Church Of Christという教会で行われたのだが、私がこれまで訪れたことのある教会の中で最もリラックスした教会であり、何もかも感じがよかった。牧師の話もユーモアにあふれていて笑いを取りながら、思わず亡くなった友人の冥福を祈らずにはいられないような厳かな話で結んだところが素晴らしく、拍手を送りたい気分だった。


棺が運び出され、出棺の時、それぞれの家族に抱きかかえられるようにして最後の別れをする友人の息子と娘の泣き顔を見て、最後まで和解できなかった彼ら親子に同情を覚えずにはいられなかった。

長い介護と看病、そして葬儀の準備と、全力で友人を支えた私の夫もよく頑張ったなと思う。ちょっと誇りに思うよ...。


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