2013年2月10日

映画「ゼロ・ダーク・サーティ」

映画の話が続きます。

先週末から映画「ゼロ・ダーク・サーティ」を見に行きたいと娘のサチが頼んでいたので、今日は二人で見に行った。


夫は留守。息子のカイは興味がないというので、サチと私の二人だけで見に行ったのだが、さあこの映画を一言で言い表すとしたら、それは「圧倒された!」ですね。

映画が始まってから終わるまで、ずっと気持ちが張り詰めたまま、まるでドキュメンタリー映画のようなリアルな映像に引きずり込まれて、英語で言うならばまさに「blown away」というのが当たっています。

ああ...、すごい映画だった。

ストーリーは、アルカイーダの指導者で数々のテロ攻撃の首謀者とされるウサマ・ビン・ラーディンの潜伏場所発見に至るまでの話と、アメリカ海軍の特殊部隊による殺害作戦の話です

ビン・ラディーンの潜伏場所を発見したのは、映画ではマヤという名前の女性CIA捜査官。パキスタンに赴任してきたばかりの頃は、同僚が情報を聞き出すためにアルカイーダ関係者に拷問を行うのを直視できずに目を背けていた彼女が、ビン・ラーディン発見に使命感と執念を燃やすうちに凄まじい拷問も平気で行う、ある意味冷血でタフな捜査官に変貌してゆく。


物議をかもしている拷問シーンは、本当にリアルだった。見ている私たちも、マヤと同じように目をつぶりたくなる。演じていた俳優たちもスタッフも拷問シーンの撮影は非常に不快だったと聞いた。

拷問シーンを見ながら、これは映画だ...俳優が演じているんだ...などと思う瞬間は一度もなく、おそらくあれ以上の過酷な尋問と拷問が実際には行われたのであろうと思うから、自分は実際の拷問を目撃しているような気持ちになる。

私は、以前ビン・ラーディン発見にいたるまでのいきさつを何かで読んだことがある。

しかし、パキスタンの町や村の風景や人々の暮らし、その中で繰り広げられる捜査活動、妨害行為、テロ攻撃、そうしたものを映像で見せられると、活字で読んで想像していたものよりもはるかに衝撃的であったし、捜査の方法も興味深かった。

見終わって、マヤを演じたジェシカ・チャステインの演技よりも、良くできていた脚本よりも、何よりも、印象に残ったのは、女性の監督として初めてアカデミー賞監督賞を受賞したキャサリン・ビグローの映画製作者としての手腕である。

こんなすごい映画を見たのは、本当に久しぶりだった。


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