2025年11月28日

ホームレスのアフリカ人女性の今

9月に「ホームレスのアフリカ人」という記事を書いています。

この辺りでは見かけることが珍しい、墨のように真っ黒い肌のアフリカ系の女性が、近くの公園や路上でテント生活をしているという話でした。

記事を書いた時には、私達が住んでいる家の前の道路と歩道の間の芝生帯にテントを張っていたんですけど、ショッピングスクエアの横にある自然保護公園にテントを張っていることが多かったです。


気の毒に思った私は、その女性の力になりたいと思って、暮らしに困っている人が相談できる電話相談窓口の情報とか無料で食事を提供している場所の情報とかを紙に書き、次に会った時に渡そうと思ってバッグに入れて持ち歩いていたんですけど、会うことはありませんでした。

その後、私が日本に行っている間に、うちの夫は地域の「町内会」のような組織の人と知り合いになって、この女性のことが話題になったんだそうですよ。

メルボルンには経済的に困っている人達を助けてくれる公的な組織もありますし、宗教団体が行っているサービスもいろいろあって、この女性に支援を申し出た人が何人もいたんだそうです。

一時的な避難所も紹介してもらえるし、センターリンクという福祉機関を通して経済的な援助も受けられるし、就職支援もしてもらえると思うんですよ。家庭内で暴力等の問題が起きていたのなら、その相談にも乗ってくれるはずなんです。

ところが、この女性はあらゆる申し出を断り、テント暮らしを続けているんですって。最近、私も何度か女性を見かけましたけど、とてもキレイらしい外見でしたから、どこかで洗濯をしたりシャワーを浴びたりしていると思いました。

自治体に電話をする人もいるらしいですが、この女性が法律を犯していない以上、強制的にどこかに移動させることは出来ないそうです。無断でテントを張っていることだけが問題だそうですが、非常に頻繁に場所を変えていて、常に素早く移動しているので、何も出来ていないんだそうです。


昨日の朝6時頃、うちの夫が歩いて仕事に行っていると、道路脇の芝生帯にテントがあったそうです。女性がテントを片付け始めていました。夫は早足で歩いて行って女性がそこから移動する前に到着し、「グッドモーニング」と声をかけたんですって。

そうしたら、女性はびっくりして夫の顔を見て「グッドモーニング」と言い、「How are you?」(元気?)と応えたんだそうです。あの女性は英語が話せることが分かったと夫は言っていました。髪も着ている服もキレイだったそうです。

話しかけて言葉を交わしたうちの夫は、これが何かのきっかけになるかもしれないと言っていました。度々会って挨拶をしているうちに女性の気持ちに変化が生まれて、自分が何かしてあげることが出来るかもしれないと思っているようです。


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