自宅に着いたのは日本時間の8時頃。前の日の朝9時半頃に岡山中西部の実家を出たんですから、一日がかりの旅です。この旅のうち最も大変なのは、成田空港までの移動なんです。
今回は行きも帰りも新幹線を利用したんですが、飛行機を利用するのと時間的には大差が無いのと、乗り慣れているJRの方が目まいの心配がある私にはいいだろうと思ったからですけど、次回は飛行機を利用しますよ。
鉄道を利用した場合のリスクを、私は考えていませんでした。天気が良好でも鉄道は運休することがあるのです。
新幹線から成田エキスプレスへは、以前は東京駅で乗り換えていたんですけど、品川駅の方が乗り換えが簡単だとJRの人に勧められたので、品川駅での乗り換えにしました。成田エキスプレスが発着する13番線まで、時間通りに進みました。
ところが、ホームに行ってみると電光掲示板に成田エキスプレスの発車案内が出ないんです。これはおかしいと思って駅の人に聞こうと思ったんですが、誰もいませんでした。
駅の窓口まで行っている余裕がなかったので、私は警備室と書かれた小さな建物の鉄のドアをノックしたのでした。そこに女性の駅員さんが入るのを見たからです。
ドアが開いて現れた駅員さんに、成田エキスプレスの切符を見せながら聞きました。
「すみません、この列車に乗りたいんですけど」
「ああ、この列車はですね、キャンセルされたんです」
「ええーっ!」
「踏切で事故がありまして、この次の列車もキャンセルされました。まだ復旧の目処は立っていません」
次のにも乗れないとなると、飛行機に遅れてしまいます。息子とは成田空港で落ち合うことになっていたので、一人で行くしかありません。私はもうパニック状態です。
駅員さんは大変ご親切に「京急線で行くのが一番早く着きます」とおっしゃいました。その時、午後2時半頃でしたが、2時39分発の成田空港行きがあるからそれに乗るようにとおっしゃいました。
しかしですね、私には「京急線って何?」「ここからどうやって行くの?」「切符はどこでどうやって買うの?」状態なわけです。
その時、私の後ろで駅員さんと私の会話を聞いていた男性がいました。その方も私が乗る予定だった成田エキスプレスに乗る予定だと分かりました。女性も一緒でしたが、そのお二人は駅員さんがおっしゃっていることがよく分かっているようでした。
JRの切符で「京急線の電車」に乗れると分かるとすぐにそっちに向かわれようとしました。
「すみませんが、私には何が何だかさっぱり分からないので、一緒に行ってもいいですか?」と言うと、「いいですよ、一緒に行きましょう」と言って下さったんです。
ふと見ると、私達の会話を聞いている人がもう一人いました。金髪の外国人女性でした。英語で話しかけてみると、その外国人も私と同じ状況だったので一緒に行こうと誘いました。
こうして、私達は男性に誘導されて京急線の成田空港行きの電車に乗ることが出来たんです。電車を待っている間の話から、なんとその男性は岡山の倉敷出身だということも分かりました。
金髪の女性はアメリカ人でした。その方が乗る飛行機は5時半発でしたが、京急線の電車は4時に成田空港に着くことが分かったので、なんとか間に合うということで大変安心されていましたよ。
私は親切に助けてくださった男性と連れの女性に心からのお礼を申し上げて、成田空港第2ビル駅で降りました。息子はすでに成田空港に到着していて、私は無事に約束の場所で息子と合流することが出来たんです。
空港には早めに着くように家を出ていたので、トラブルがあっても影響はありませんでした。それでも、あの親切な男性に会わなかったら、私はどうなっていたか分かりません。相当な苦労をしたでしょう。だって、本当に品川駅で成田エキスプレスに乗り換えるということしか知らなかったですからね。
いろいろ調べてみると、カンタス空港を利用することにこだわらなければ、日本航空のメルボルンからの直行便で成田まで行き、羽田に移動してその日のうちに岡山空港まで来る方法があるようです。
早朝の出発で深夜の到着ですから、いずれにしても体力はいります。
それでも、今回20年ぶりに息子と一緒にですけど旅行してみて、次回は一人でも来れそうだと思いましたので、次回は飛行機での移動を考えます。
それにしても、本当に助かりました。

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