子どもの頃、春菊が大嫌いだった。
理由は一言、「臭い」からである。
鍋物に入れたり、お汁に入れたり、時には春菊のおひたしというのが晩ごはんに登場して、私は閉口したものだ。何でこんな臭いものをおいしそうに食べるのだろうと、不思議でならなかった。
大嫌いな春菊であるから、大人になるまで決して箸をつけることはなかった。
数年前のこと、家族で岡山の総社市に住んでいた時のことだ。会社の近くにあるレストランでよく昼食を食べていたのだが、ある日のランチセットに春菊入りの味噌汁が出た。
その春菊は、見たところほとんど生だった。おそらく生の春菊をおわんに入れて、その上から熱い味噌汁を注いだだけ、というものであったろうと思う。
「おいおい、春菊が入ってるじゃないの...。味噌汁にあの臭いにおいが移っていたら飲めたもんじゃないな...」と思いつつ、汁を一口すすると何とも言えない良い味がした。
「あれ?」
味わったことのなかった初めての味...。
私は、あれほど毛嫌いしていた春菊を口に含んでみた。
「あれ?どうしたのこの春菊...、おいしい...」
とまあ、こんな具合に初めて春菊のおいしさを知ったのです。
それ以来、鍋物やお汁に春菊を入れることはもちろん、春菊のおひたしどころか春菊のサラダまで作って食べるようになったわけ。
ところが、この春菊、私の住むRingwoodでは、決してお目にかかることのない野菜だ。アジア人が多く住む地域の八百屋やスーパーでは、売られている可能性がないわけではないが、私は見たことがない。まず「食べることをあきらめるしかない食品」の一つである。
ところが、先日、近くのアジア食料品店で買い物をしていたら、「春菊の種」を見つけた。パッケージは、表も裏も日本語で書かれていた。値段は2ドルもしなかった。
「おおおっ!もしかしたら、これで春菊が食べられるかもしれない!」と、即購入!
そして、裏庭の箱型の野菜畑の一つに早速その種をまいたのは、まだ秋の頃。(日本の春ね...)
小さな袋であったが、入っていた種が結構な量で、畑の相当広い面積を春菊の種だけに使うことになってしまった。でも、腰痛のために本格的な野菜作りなどあきらめていた頃だったので、正直なところ「もうどうでもいいわぁ」と考えつつ、袋に入っていた種を全部まいだのだった。
さあて、現在、畑の春菊はどんなことになっているのかお見せしましょう。
いつのまにかこんなに大きく育ってる!そろそろ間引きをしなくてはいけません。間引いた分は、お味噌汁かサラダか...。
皆様、畑がない方はプランターにまいておくだけでOKですよ!オススメします!
ああ、こんなに簡単に野菜が育つなら、今度は「ごぼう」と「青じそ」と「みょうが」と「みつば」と「ししとう」と「白ねぎ」の種をまいておこう。(もしも、種が見つかったらね。)
オーストラリアへの植物の持ち込みは非常に難しいけど、以前いろいろな野菜の種を日本から持ち帰ったことがある。空港の検疫ですべて正直に報告することが重要!その際に、それらの野菜の学名を調べて準備しておくこと!そうすれば、係官がデータベースですぐに調べてくれる。私たちが持ち込んだ野菜の種は、すべてOKだった。
問題は、作った野菜を全部食べてしまって種を残さなかったこと。
ああ…
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