実は近年、オーストラリアは治験の実施地として注目を集めているんだそうで、医薬品に限らずバイオテクノロジーや医療機器などの分野でも、年間1000件を超える治験がオーストラリアで行われているそうなんです。
治験のボランティア被験者になると高額な報酬がもらえることが多いので、無職や低所得の若者(旅行者を含む)にとっては「魅力的なアルバイト」らしいのです。息子も報酬が目的で参加しようとしているんですが、上手く行っていません。
1月に参加したシスティック・ファイブローシス(Cystic Fibrosis)という難病の治療薬に関する治験では、直前検査で尿に結晶と血液が含まれていることが分かったために失格になったのですが、そのおかげで腎臓結石が出来ていることが分かりました。
物は考えようですよ…
失格になったので報酬は得られなかったけど、自分の健康問題が分かってそれに対処することが出来たんですから。
3月に参加しようとしたのは、免疫治療薬に関する治験でした。薬で一部の免疫システムを無効にするとかでリスクも有るし、入院期間も4週間近かったので、報酬が非常に高額でした。
残念ながら息子は補欠扱いになったんですが、被験者に選ばれていた一人が直前検査で新型コロナの陽性反応が出たとかで失格になり、補欠のうちの息子が選ばれることになりかけたのに、直前検査で採血した息子の血液が行方不明になって見つからず、結局息子は被験者に選ばれなかったのでした。
あれから1ヶ月が経ち、実は昨日、また同じ治験の2回目に参加するための検査を受けに行ったのです。今回は補欠扱いでもなく失格になったそうなんですけど、その理由を聞いて、本人もうちの夫も私も被験者に選ばれなくてに良かったと思ったんですよ。
1回目の治験で、複数の被験者に肝臓の障害が生じたんだそうです。薬の副作用によって肝臓の機能が障害されることは珍しいことではありませんけど、どういう障害だったのか、軽かったのか深刻だったのか、詳しいことは分かりません。2回目の治験を行おうとしているんですから、それほど深刻ではなかったのかもしれません。
しかし、薬の副作用で肝臓の機能が障害されることが分かったので、どんな些細なことでも肝臓に何らかの問題がある人は被験者に選ばないことが決まったそうなんです。
うちの息子の肝臓には現在は何の問題も見つかっていないんですが、かつて脂肪肝だったことがあるのと「ヘモクロマトーシス」という肝臓に鉄が過剰に蓄積される先天性の病気の遺伝子を持っているという理由で失格になったそうです。
やはり物は考えようです…
先月の1回目の治験で息子の血液が行方不明になっていなかったら被験者になっていたわけで、今頃は薬物性の肝臓障害で治療を受けていた可能性があるわけです。
まあとにかく、今後再び治験に参加を試みるとしても、息子は今までよりも慎重にもっと勉強してから決めるでしょう。何回か治験が実施されていて被験者の安全が確認されているものを選ぶでしょうね。
私も、治験にはこうしたリスクがつきものなのだということを再認識した次第でございます。
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