先週の土曜日はうちの夫の誕生日だったんですが、私は何もプレゼントをあげませんでした。
息子や娘は、誕生日のプレゼントに物を買うことはしません。手作りの物、例えば自分で描いた絵をあげるとか、何か美味しい物を作るかです。今年は息子が子羊肉のロースト料理、娘が巨大なバースデーケーキを作りました。
母親とそのパートナーからはスクラッチ宝くじをもらったそうですが、1ドルも当たりませんでした。父親からは一昨日数日遅れのプレゼントをもらったそうです。夫はそのプレゼントがとても嬉しかったそうなんですよ。
もらったのは、父親の祖父、すなわち夫の曽祖父が使っていた懐中時計でした。この人は列車の車掌をしていたそうなんです。100年以上前のことですから、蒸気機関車が引っ張っていた汽車の車掌です。その仕事で使っていた懐中時計だそうです。
うちの夫が生まれた時、父親はまだ20歳そこそこでたいへん若かったですから、夫が子供の頃には曽祖父はまだ健在だったそうで、夫は曽祖父のことを覚えているんだそうです。その曽祖父の思い出の品を譲り受けたのですから、嬉しかったでしょう。
珍しい懐中時計です。カレンダー付きなんです。時刻を示す通常の文字盤の中に4つの小さな文字盤が組み込まれています。「月」「日」「曜日」「月相」を示す4つです。
一番下の6時のところにあるのが「月相」を示しているんですよ。よく見ると絵になっているんです。紺色の星空の下に白い部分が見えます。この部分から徐々に黄色い月が現れて毎日1目盛りずつ上昇し、三日月になり、半月になりそして、満月になった時には中心に来ます。そして徐々に隠れて行くので、月が欠けて行くように見えるんだそうです。
月の満ち欠けの周期は30日弱ですから、どうして目盛りが60まであるのか不思議なんですけど。月の満ち欠けを正確に知ることが重要な職業もあったため、古い時計にはこうした「月相」を表す文字盤付きのものがあったそうです。
この懐中時計には小さな傷がたくさんあって、実際に曽祖父が仕事で使っていたことが分かります。それにしても、素晴らしいですよねえ。
もしも私が子供の頃に曽祖母が健在で、一緒に時間を過ごしたこともあって、その曽祖母が大事に使っていた何かを受け継ぐことが出来たとしたら、それは特別なものです。
この懐中時計の中の機械仕掛けはきっとすごいでしょうね。そんなに大きくないんですよ。スイス製です。昔の職人達は、一体どうやってこんな精巧な時計を作っていたんだろうかと思います。
汽車の車掌だった曽祖父がこの懐中時計を使っていたと聞いて、「きかんしゃトーマス」に登場するファット・コントローラー(トップハム・ハット卿)がポケットから懐中時計を取り出す様子を想像しました。
本当に特別な誕生日プレゼントをもらったと思います。
この懐中時計を修理してもらって動くようにしたいと、夫は言っています。月が動くのを私もぜひ見てみたいです。
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