2012年11月7日

家族の会話を復活させた誕生日(2)

私は、先日以来ずっとお寿司が食べたいと思い続けていて、誕生日の夕食は「手巻き寿司」を子供達に作ってもらおうと思っていた。

でもねえ、子供達も夫もこんな険悪な態度だし、私は怒りを吐き出して気分はいいのだけど、家族がこんなことになって自分が悪かったなどとは思っていないし、機嫌取りをする気もないし、もうこういう状況では、「幸せな誕生日のお祝い」などあきらめるしかないでしょう?

(仕方がない、自分で作るか...)

私は、手巻き寿司の準備を自分ですることにした。とにかくお寿司が食べたいのですからね。

そこで、早めにご飯を炊いておこうと思いキッチンへ行くと、ちょうどそこへ息子のカイがやって来た。そして、相変わらず口を利かないのだが、カイは、私が誕生日に食べたいと言っていたフルーツサラダを作り始めたのだった。

娘のサチもやって来た。サチはエプロンを身に着けていた。料理をするつもりなのだ。そこで、私は夕食は手巻き寿司にして欲しいと頼んだ。

「I have no idea what to do...」
つれない返事ではあったが、口を利いたサチに、私はいつも私が作っている寿司ご飯と具のことを話し、作り方を手短に教えた。

居間でテレビを見ていたら、夫がピンク色の包装紙で包んだ何かを持ってやって来た。
「Happy birthday, Darling!」

それは、JKローリングの新作「The Casual Vacancy」という本だった。まあ、ナント、夫からプレゼントをもらったのは久しぶりだった。

カイも、同じピンク色の包装紙に包んだ何かを持ってやって来た。
「お誕生日おめでとう。これ、俺とサチから」と、カイはめずらしく日本語で言った。

「ホームランド」という米TVドラマのDVDだった。

サチがやって来た。
「キチンはどうしたらいい?」
「いつも照り焼きにしてるから、照り焼きにすればいいんじゃない?」
「テリヤキはどうやって作る?」

私は、照り焼きのタレを作って見せながら手短かに作り方を教えた。サチは、簡単に教えればちゃんと作れるだけの料理についての知識と経験がある。

こうして、我が家に会話が復活したのでした。


サチが作った手巻き寿司の具は、照り焼きチキン、塩茹でニンジン、きゅうり、卵焼き、アボカド、スモークサーモン。

大好きなスパークリングワインとともに、美味しくいただきました。うちのサチ、14歳になったばかりだけど、料理に関してはかなり大したもんなんです。これからは和食にもどんどん挑戦してもらいたいものです。

さて、ケーキとデザートです。今年は、ケーキは手作りじゃないのが残念ですけど、このチーズケーキは美味しかった。美味しいのだけど、やっぱりチーズケーキはリッチで重い。だから、カイが作ったフルーツサラダがさわやかで大変美味しく感じられたのでした。


そして、どういうわけだか知らないけど、こうしたご馳走を食べながら、カイとサチの話題は岡山県の総社市に住んでいた頃の学校の給食の話になり、私達家族はめずらしく長い長いおしゃべりタイムを楽しんだのでした。

さらに、食べ終わった後、片づけも洗い物もちゃんとやってくれたカイとサチ。お母さんは、プレゼントよりも料理よりも、実はこっちの方がうれしかった。

良い誕生日になりました。嵐の後の青空のような気分です。

ありがとう...。

さあ、明日はカイの誕生日。あの美味しかったチーズケーキショップのチーズケーキよりも美味しいチーズケーキを作るんだからね。がんばります!


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