マシェティ(Machete)というのは山刀(なた)のことです。もともとはスペイン語だそうで、呼び名はいろいろあるそうですが、オーストラリアでは「マシェティ」と呼ばれています。木の枝や草の伐採などに使われる道具ですけど、武器でもあります。
オーストラリアでは、今年の9月1日から所有が規制されることになっていて、許可証を持っている人しか所有も購入も出来なくなります。許可なく所有していると4万7千ドル(約470万円)の罰金あるいは2年の懲役刑になるそうですよ。
一般市民には必要の無い道具ですから許可が得られるわけがありません。マシェティをすでに所有している人は、高額な罰金を避けるためには廃棄する必要があるわけですが、ごみ箱に捨てるわけには行きませんから、9月1日から11月30日の間に警察署に設置される箱に廃棄してください。
1996年にタスマニア州のポートアーサーで大量殺人事件が起きた後に銃規制が導入された時には、連邦政府による強制的な銃器の買戻しがおこなわれましたが、マシェティの買い戻しはされません。自主廃棄する必要があるようです。
ということだったのに…
ヴィクトリア州では、今日からマシェティの「販売」が禁止されるんです。
所有の規制は9月1日を待つ必要がありますが、とりあえずヴィクトリア州ではマシェティが手に入らないようにしようという州政府の措置なんです。
何でそんな事になったかと言うと、日曜日にノースランドというショッピングセンターで若者ギャンググループの乱闘事件があって、それにマシェティが使われたからです。ヴィクトリア州では若者の犯罪や暴力事件が増えているんだそうですが、厳しい銃規制がありますので銃器は簡単に手に入りませんから、彼等が使うのはナイフなんです。
ナイフも大きい方がいいわけですよ。マシェティはナイフと呼ぶには大き過ぎる「刀」です。防犯カメラの映像を見ると、短めの日本刀と言ってもいい長さですよ。こんな物が簡単に手に入るというのは、どう考えても問題なんです。
ナイフの携行は法律で禁止されていますけど、ナイフを武器として使いたい人達にはそんな法律は意味がありません。所有を禁止しても意味がないです。手に入らないようにする必要があるわけです。
とは言え、9月1日の規制を待たずにヴィクトリア州だけで販売を禁止しても、他州や外国のオンラインショップからは手に入れることは出来ますので、それにどう対処するのかは不明です。
まあとにかく、オーストラリアにお住いの方でマシェティを正当な理由無く所有していらっしゃる方は、自主廃棄しないと高額な罰金が来ますよということです。
余談ですが、ノースランドで乱闘が起きた時、買い物客の1人がマシェティを持つギャングの一人を捕まえて、警察が来るまで寝技で押さえ続けたというニュースを読みましたけど、すごい人がいるもんですね。
この乱闘事件に関与した7人の若者は、すでに全員が逮捕されました。ほとんどが10代で15歳の子供もいたそうです。
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