2025年9月2日

運転試験合格とめまい

認知能力の衰えが心配されていたうちの夫の父親ですが、9月2日と聞いていた2回目の運転試験は昨日だったそうです。そして、試験にはなんと合格したんだそうですよ!

「もしかしたら本当に合格するかもしれませんよ」と言っていた私の予言が的中です。

だってね、先日の義弟の誕生日を祝うために家族が集まった夕食会で、初めて補聴器を使っていた父親は、とっても楽しそうでイキイキしていたんですよ。

これまで度々目撃していた、突然放心したように沈黙するなんてことは無くて、終始おしゃべりが弾んでいました。補聴器のお陰で皆んなが言っていることがよく聞こえたからだろうと思いました。

昨日の運転試験でも補聴器をつけていたそうですよ。「補聴器でいいこと尽くめ」という記事に書きましたけど、補聴器を使うことでメンタルヘルスに良い影響があり、そのせいで身体も元気になって、認知機能の衰えも軽減されたらいいこと尽くめです。

これで、懸案だった新車を買うという話が進むだろうと私は思いました。トレーラーを牽引できるトウバー付きのパワフルな車を買いたいとずっと言っていましたからね。トレーラーを牽引して何をしようと思っているのかは知りませんけど。

トヨタのRAV4みたいな車が欲しいということだったんですが、トヨタ車は値段が5万ドル(約500万円)くらいするんです。トヨタ車より安い韓国のヒュンダイ車にするか、もっと安い中国の長城汽車(GWM)の車にするかで悩んでいましたが。

もう新車を買ったんですって!

運転試験に合格した直後に、免許センターから直行で買いに行ったそうです。

買ったのはハヴァル(Haval)というブランドの車で、これは中国の長城汽車のSUV車ブランドです。新車で、欲しかったトヨタ車にそっくりで、半分の値段だったそうです。

いいですけど…

私だったら、中国の長城汽車は買いませんけど。中古車でいいのでトヨタ車を選びますけど。

1回目の運転試験の試験官は気難しそうな人で、失敗するまで1時間も運転させ続けたと父親は不満を言っていましたが、2回目の試験官はリラックスした人で厳しく見ていなかったそうですよ。

まあ、父親の運転のことは、今後も家族が注意して見守る必要があるとは思います。


そんなことより、私は昨日から頭がフラフラして困っているんです。最近ずっと調子が良かったのに。10月の旅行を前にして、自信を打ち砕くイヤなめまいです。回転するめまいではないので耳石が原因ではないです。

実は昨日、うちの息子が東京にあるチームラボという美術館のチケットを予約しようとしていて、面白そうだから私も行こうかと思ったんですよ。

ところが、ウェブサイトに載っている映像を見ただけで吐き気がして来まして、とても私には無理だと思いました。

東京を訪れる旅行者に大変人気のある美術館なんだそうですね。2023年のグーグル検索年間ランキングで、「世界で最も人気のある美術館および博物館」の5位だったと書いてあるのを読みました。

ランキングの1位は皆さんご想像の通りフランスのルーヴル美術館でした。2位は大英博物館だったそうですけど、そういう世界的に超有名な美術館や博物館と肩を並べて5位というのは、ちょっと見てみたいかも…と思ったんですけど。

ウェブサイト見ただけで吐き気がするなんて、実際に中に入ったら頭がグルグル回転し始めて、嘔吐事故および転倒事故は間違いなし。

残念なことです。(泣)


お帰りの前に1クリックを!



2025年9月1日

私だと気づかなかった

うちの夫の視力が最近悪化していることについて、「夫の視力の低下」という記事を書いたばかりですが、本当にいろいろなものが見えなくなっています。

つい先日は、晩ご飯のポテトグラタンを取り分けた時に指先にチーズが付いたと教えてもそれが見えなかったし、お昼ご飯を入れて持って行く赤い耐熱プラスチック容器にはニンジンだけじゃあなくてミートソースも残っていたし。ミートソースは赤いから、赤い容器に入っていると見えなかったのです。

目のことは聞いてもなかなか教えてくれないので詳しいことが分からなかったんですけど、昨日うちの娘が家に帰って来たので、久しぶりに4人でテーブルを囲んで晩ご飯を食べていたら、突然夫が自分の目のことを話し始めたんですよ。

先日、義弟の誕生日を祝うためにタイ料理レストランに家族が集まった時のことですが、食事を終えて外に出たのは8時過ぎでしたから真っ暗でした。

真っ暗とは言っても、レストランの照明もありますし街灯も明るいし、普通の視力の人なら足元が見えなくて困るようなことはありませんけど、うちの夫はあの暗さだと見えないはずでした。

ところが、そんなことはすっかり忘れていた私は、レストランの外に出ると一人で駐車場の方に歩き始めたんです。ふと振り向くと、玄関を出たところで夫と父親と他にも何人かが止まって話をしていたので、何の話をしているんだろうと思った私は戻ったんですよ。

その時、夫には向こうから誰かがレストランの方に向かって歩いて来るのが見えたそうですが、それが私だとは分からなかったんですって。黒いコートを着ていたから、見えたのは顔だけかもしれません。近づいて来たその人が話す声で、それが私だと気づいたんです。

これには、夫も少しショックだったようです。

うちの息子は、自分がいつもとは違う服を着ているとお父さんは自分だと気づかないことがあると言います。夫は、ついに人の姿や顔の認識が難しくなって来たようです。


本を読むことは困難でも、文字を読むことは出来るんですよ。スマートフォンの小さな画面でも文字は読めるんです。それは専門医も驚くほどよく読めるんです。

左右の目の網膜の視細胞がまだ生き残っている部分は場所が異なりますからね、それぞれの目の見える部分で補いながら物を見ていますから、本人が言うにはちゃんと見えているつもりなんだそうです。十分な明るさがあればの話ですけど。

これは今年1月に撮ったうちの夫の眼底の写真ですが、黒く見えるのが視細胞が死んでしまって何も認識出来ない部分です。8ヶ月経っていますから、現在はもっと黒い部分が広がっていると思います。


黒い斑点の間にある視細胞が生き残っている部分を駆使して見ているわけですが、偶然両方の目の視細胞が死んだ黒い部分に像が結ぶ場合があるわけで、その場合は見えているつもりでも見えていない物があるという状態になるのです。

先日、YouTubeでビリヤードの動画を見ていたら、打った球が突然テーブル上から消えたり、思いもよらないところから突然現れたりして驚いたそうなんですよ。非常に奇妙な経験だったそうです。

今年の3月に、夫の父親と中国人の奥さんが引っ越して来た家で卓球をした時、夫はラケットにボールを当てることが出来なかったんですけど、あの時はボールが見えないと言いました。

動くものは特に見えにくいようですし、薄暗いとほとんど見えていませんから、薄暗い道路を歩いていてネズミが目の前を横切ったのが見えなかったのは当然です。

こうして、徐々に見えなくなって行くというのは、どんな気持ちなんでしょうね。気の毒ですけど、どうしようもありません。

今はまだ読めている文字が、そのうち読めなくなります。文字がまだ読めていても、人の顔が認識出来なくなったら仕事を続けるのは難しいでしょう。自分で判断して辞職する前に、視力のせいで大きなミスをして解雇される可能性もありますよ。

いずれにしても、仕事を続けられなくなる時が近づいて来たなと感じます。


お帰りの前に1クリックを!



2025年8月31日

子供の頃の最も幸せな思い出

カナダのケベック州に拠点を置く「シルク・ドゥ・ソレイユ」(Cirque du Soleil)というエンターテイメント会社があります。「太陽のサーカス」という意味だそうですけど、サーカスと聞いて思い描くものとは一線を画す非常に芸術性の高いショーを上演することで有名です。

新型コロナの影響で経営破綻したと聞いていましたが、復活したんですね。新しいショーの「コルテオ」(Corteo)がオーストラリアにやって来て、メルボルンでも上演されていたそうです。今日が最終日です。


私は「シルク・ドゥ・ソレイユ」の公演のことなど全く知りませんでしたが、昨夜うちの娘から「シルク・ドゥ・ソレイユ」のショーを観に来ているというメッセージが来たんです。全豪オープンテニスが開催されるメルボルン・パークにあるジョン・ケイン・アリーナが会場でした。

思わず「ヴァレカイを思い出すねえ」と返事をしましたよ。

「ヴァレカイ」(Varekai)と言うのは、20年ほど前に「シルク・ドゥ・ソレイユ」が世界を巡回して上演していたショーです。うちの娘にとっては忘れられない思い出とつながっているんです。

娘が小学校の2年生だった2006年のこと。「ヴァレカイ」がメルボルンにもやって来ましてね、大変評判が良かったので私達家族も観に行くことにしたんです。

ところが、遠足とか学校の休みとか発表会とか、何か楽しみにしているイベントがあると必ずと言っていいほど病気になっていたうちの娘は、「ヴァレカイ」を観に行く当日にひどい下痢になり、観に行けなかったんです。

仕方がないから私も娘と一緒に家に残り、夫と息子の2人だけが観に行ったんですよ。だから「シルク・ドゥ・ソレイユ」と聞くと、夫と息子は「ヴァレカイ」の素晴らしいショーを思い出しますが、娘と私は病気で惨めだった一日のことを思い出すわけなんですけど。

後で分かったことですが、あの日のことは悪い思い出ばかりではなかったんです。「ヴァレカイ」を観に行けなくて悲しかった娘に、私が本を読んでやったからです。

娘に本を読んでやったことなど私は覚えていなかったのですが、娘が大人になってから教えてくれたのです。あの日、お母さんが自分のために本を読んでくれたことは、子供の頃の最も幸せな思い出の一つになっていると言うんですよ。

その本の内容が素敵だったので、特に心に残っているそうなんです。どの本を読んでやったんだろうかといろいろ考えて、やっと思い出したその本は、黒柳徹子さんの「窓ぎわのトットちゃん」でした。一日がかりで読んだらしいですが、最後までは読んでいません。

昨夜、娘から「シルク・ドゥ・ソレイユ」のショーを観に来ているとメッセージをもらって、「ヴァレカイ」の日のことを懐かしく思い出しました。「窓ぎわのトットちゃん」をいつか自分で読んでみたいと言っていたことを思い出したので、本を注文しましたよ。残念ながら日本語では読めませんから英語版ですけど。

それにしても、幼い子供にとってどんなことが幸せな思い出として心に残るか分かりませんね。

下痢になって「ヴァレカイ」を観に行けなかった惨めさよりも、お母さんが一日中ずっと自分と一緒にいてくれて素敵な本を読んでくれた幸せの方が強く心に残っていると言うんですから。


お帰りの前に1クリックを!



2025年8月30日

大型自動車第一種免許

大型トラックやバスを運転するには、日本でも特別な運転免許が必要なように、オーストラリアでも「Heavy Vehicle Licence」(大型自動車免許)というのが必要なんですけど。

昨日、うちの夫の父親の運転免許の話をしていて、驚くべき話を聞いたんです。

夫の父親の運転免許のことは最近度々話題にしています。認知能力の衰えが心配されているもんですから、免許の更新を前にして運転試験を受けなくてはいけなくなったんですけど、1時間もかかった運転試験の結果「運転免許を所有している人が助手席に同乗している場合に限り10キロ以内なら運転してもよい」という結果になったのですよ。

つまり、一人ではもう運転してはいけないということですからね、この結果に不服な父親は来週再び運転試験を受けることにしているんですが、父親が持っている運転免許は普通自動車だけじゃあなかったんです。

日本で言うところの「大型自動車第一種免許」に相当する免許も持っているんだそうです。田舎の高校の先生になった時、その学校ではバスを運転出来る教職員が必要とされていたそうで、父親は大型自動車免許を取得したんですって。

高校の先生を辞めてから20年以上になりますが、その間バスなんて運転することは無かったのに大型自動車免許の更新は続けて来たそうなんです。そして、その免許の更新には筆記試験も運転技術試験も何もなくて、ただ料金を払うだけだったそうなんですよ。

そして、ここからが怖い話なんですけど…

今年の7月にクイーンズランドのポートダグラスに家族旅行に行った時に、ケアンズ空港からポートダグラスのリゾートホテルまでの移動にですね、父親はマイクロバスをレンタルして、自分がそれを運転しようと考えていたそうなんです。大型自動車免許を持っていますからね。

それを知った義妹(うちの夫の妹)がすぐに送迎サービスを予約したんだそうですよ。送迎サービスを予約したから、もう父親がマイクロバスを運転する必要はなくなったということにしたんだそうです。

父親がメルボルン市内で何度も交通事故を起こして、うちの夫が同乗していた時にも衝突事故寸前という出来事があって、夫も義妹も父親が運転を続けることに悩んでいた頃ですからね。そんな父親にバスを運転させるわけにはいきませんから。

マイクロバスといっても、普通車とは比べものにならない大きさでしょう?もう20年以上も運転していないのに、自分にはまだ運転出来ると思ったのが信じられません。


大型自動車免許という特別な運転技能を必要とする免許が、何十年間もただ料金を払うだけでずっと更新し続けられるっていうのは問題ではないですか?

何年も大型車を運転していなかったら、たとえ免許を持っていても突然運転しようとは誰も思わないだろうと考えるのは大間違いですよ。自分の能力を過信する人はいますからね。

タイ料理レストランでの夕食会の時、父親の運転免許は更新されて新しい免許証が届いたと言っていました。本人には免許証を返納する気などまったくありません。再び無条件で運転が出来るようになるために、来週2回目の運転試験を受けるわけですからね。

大型自動車免許の方は、もう自主的に返納するべきだと思います。バスが運転できなくても暮らしに何の影響もありません。返納する気がないなら運転試験を受けさせるべきですよ。確実に不合格になるでしょうし、バスの運転試験を受けるくらいならもうあきらめると思うかもしれません。

自分の能力を過信する自意識が高過ぎる人というのは、対応が難しいです。


お帰りの前に1クリックを!



2025年8月29日

補聴器でいいこと尽くめ

昨日の話の続きです。

義弟(うちの夫の弟)の誕生日を祝うために昨日家族が集まったのは、「ホーリー・バジル」(Holy Basil)というタイ料理レストランでした。クロイドン(Croydon)という街にあります。

タイ人とオーストラリア人のシェフ夫婦が始めたというこのレストランは、この地域では最も人気のあるレストランの一つで、平日でも予約を取るのが難しいほどの人気なんですけど、お料理は一品が30ドルから40ドルと決して安くはないレストランです。

うちの夫が高校生の時に生まれた義弟は、今日が誕生日で41歳になりました。初めて会った時は、小学校3年生だったんですよ。あの子が41歳になったとは、本当にもう信じられません。

夕食会はうちの夫の父親が主催だと聞いていましたが、主催したのは義弟本人でした。義弟とスペイン人の奥さん、父親と中国人の奥さん、母親と事実婚のパートナー、そして私達夫婦とうちの息子の9人が集まりました。

父親はちゃんと補聴器を付けて来ていましたよ。思っていた以上に店内が騒々しくて、父親は何度か自分で補聴器を調整していましたが、焼き肉を食べに行った韓国料理店でのように会話が聞き取れなくて沈黙することもなく、昨夜はずっとおしゃべりをしていました。

ついに補聴器を使っていることを披露して、皆んなに褒められていましたが(皆んなこの日を待っていたんですからね!)、特に元妻である義母(うちの夫の母親)から盛大に褒められていました。

褒められて嬉しそうだった父親は、これからはもっと積極的に補聴器を使うかもしれません。うちの夫や息子とカフェで会う時にも使った方がいいですよ。

補聴器を買ったことを知人達に教えたところ、皆んな補聴器を使っていると分かったそうです。お隣りに住むテイラーさんが使っているのはスマートフォンを補聴器にするアプリで、これをBluetoothで接続したイヤホンで聞くんだそうですよ。

「ホーリー・バジル」(Holy Basil)の料理はどれも美味しかったです。皆んな満腹になるまで食べて、食事代は全部義弟が払ってくれました。写真関係のビジネスがよほど上手く行っているんでしょう、義弟は経済的に成功しているようですから、有り難くご馳走になりました。


それにしても、夫の父親が人が変わったようにイキイキしていたのは良かったです。家族が話すことが聞き取れるおかげで会話に参加出来たからだと思いますよ。いつもよりたくさん食べていたのも、楽しかったからではないでしょうか。

義母がいつものようにパワー全開でしゃべるのにつられて、父親もしゃべっていたのかもしれませんけど、それも良かったです。

父親は、新しい車を買おうと思っているという話をしていました。トレーラーを牽引するためのトウバーが付いたパワーのある車を買うつもりのようです。うちの夫から運転試験に合格することが先だと注意されていましたけど。

来週受けることになっている2回目の運転試験に合格して、再び通常通りに運転が出来るようになると信じて疑わない様子でしたよ。耳が聞こえにくいと運転にも影響すると思いますから、やっぱり補聴器は日常的に使った方がいいです。

メンタルヘルスにも良い影響があり、そのせいで身体も元気になって、認知能力の衰えも軽減されるなら、いいこと尽くめじゃないですか?もしかしたら運転試験には、本当に合格するかもしれませんよ。


お帰りの前に1クリックを!