2024年11月21日

中国人の詐欺に引っかかった

私は靴のサイズが22センチです。レディースサイズだと3か4でしょう。オーストラリアでは、そんなサイズの靴は売っていません。

子供靴のサイズ2が22センチくらいなんですが、子供靴だと幅がきついし、やはりデザインが子供用ですから無理なんです。スニーカーなら何とかなりますけどね。

ということで、靴はオンラインで買うしか無いわけで、実際に履いてフィット感を試すことが出来ませんし、日本のアマゾンやオンラインショップから買うので、足に合わなかったからと言っても返品するには靴以上の送料がかかりますから、あきらめるしか無いのですよ。

こうして、今まで相当な金額を靴のために無駄にして来ましたが、最初からそれを覚悟で買っている場合はいいんです。

しかし、今回は頭にきたわ!

買ったのはめったにお目にかからないサイズ4のサンダル。商品名は「Finola™ Elegant Orthopedic Sandals」と言いますが、全く同じ商品が別のウェブサイトでは異なる商品名で掲載されていることは後から分かったことです。

最初はインスタグラムで広告を見たんです。その後フェイスブックでも同じサンダルの広告を見てウェブサイトを確認しました。「Aussie Wear - Sydney」というウェブサイトでした。

商品はちゃんとした商品のようでした。グーグルのレビューを探しましたがレビューは見つからなかったんですけど、ダメ元で買ってみたんです。


シドニーの会社のようでしたが、注文確認のメールが来て、配送会社とトラッキングナンバーが送られて来たので確認すると、「YunExpress」という中国の会社だったんです。

その中国の配送会社は、グーグルのレビューがたくさん見つかりました。非常に悪いです。届いた商品の劣悪さが書いてあるレビューも多かったですが、商品の劣悪さは配送会社の責任ではないんですけどね。

「引っかちゃったか…」と思っていると、注文から2週間で商品が届きました。靴ですから箱に入って届くと思ったら、ナイロン袋に入って届きました。ペッタンコにつぶれていて折り目も出来ていて、サンダル自体もナイロンみたいな劣悪品質で出来ていました。縫い目もひどいです。



おそらく、ちゃんとした商品の劣悪コピーですよ。それを最安パッケージで送って来たということです。

フェイスブックでこのオンラインショップ「Aussie Wear - Sydney」のページを見つけました。投稿記事は無いですが、レビューがたくさん載っています。全て同様の内容です。ウェブサイトに載っている写真や商品説明とは大違いの劣悪品質の商品が送られて来たというパターンのようです。

代金の払い戻しを求めて問い合わせをした人もいますが、問い合わせ方法はメールしかありません。そして、送った商品を中国の所定の住所に返品すれば代金を払い戻すと言われるようです。

しかしね、オーストラリアから海外に物を送るには、郵便にしろ配送会社にしろ買った商品よりも高くつきますから誰も返品したりしないわけで、それを知っているからこういう詐欺を平気でやっているわけです。


「Finola™ Elegant Orthopedic Sandals」という商品名で検索すると、この商品を売っているウェブサイトがたくさん見つかりました。「OceaniaCentury」とか、「Aussie Trends」とか、「Sydney Elegance」とか、「Wilson Melbourne」とか、

全部怪しいです!

ウェブサイトの作りがそっくりで、全てオーストラリアのオンラインショップと見せかけていますが会社情報はありません。おそらく全部中国です。

インスタグラムやフェイスブックにそっくりな広告を出しているのも怪しいと思う理由です。私が見た「Aussie Wear」の広告は削除されていて今はもう見つけられません。

会社情報がない、問い合わせる方法が「info@ナントカカントカ」の一択である、複数のオンラインショップを運営している、SNSに頻繁に広告を出しすぐに削除する、こういうのは詐欺である可能性が大きいわけですよ。

一応、被害を想定して買い物をしますから、信用できると分かっている場合以外は、私はクレジットカードは使いません。今回も PayPal で支払いましたので、すぐに PayPal にこの件を報告して返金を求める手続きもしましたが返金はされないでしょうね。

ACCC(オーストラリア公正取引委員会)にも報告しましたけど、中国人が中国からやっている詐欺ビジネスですから、ACCCは何も出来ない可能性はあります。

私はまんまと引っかかってしまいましたけど、皆さんはこういうのに引っかかってお金を無駄にしないようにしてください。


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2024年11月20日

元気なうちに楽しいことを

「首の腫れはがんだった」という記事に書いたうちの夫の叔父さんのことですが、叔父さんと言っても私とほぼ同じ歳なんですけど、今週から放射線治療と抗がん剤治療が始まっています。

叔父さんは、何ヶ月も前から首の腫れが気になっていたそうなんですが、医療事情の良くない地域に住んでいる上に医者嫌いだったために診察を受けるのが遅れたんです。

私達は9月に1000キロ運転旅行に行った時、叔父さんの家に泊めてもらったのですが、その時に首の腫れが気になっているとか、上向きで寝ると舌が喉を蓋するような感じになって息が出来なくなるとか言っていて、うちの夫に一日も早く医者の診察を受けてくれと言われたんです。

医者に予約を入れたのはその後ですから9月の中頃。医者不足のため何週間も待たされてやっと診察を受け、検査をしてもらうまでにさらに時間がかかりましたが、検査の結果が分かってからは早かったです。

メルボルンの病院の専門医に会うことになり、舌がんが首や脇のリンパ節に転移していたことが分かったんです。メルボルンでも公立病院は順番待ちが長いんですが、治療はすぐに始まりました。がんの切除手術は受けないそうですから、相当進行していたんだろうと思います。

さらなる検査の結果、舌がんは喉にも広がっていることが分かったそうです。本当にねえ、もっと早く医者の診察を受けていれば良かったのにと悔やまれてなりません。

叔父さんはメルボルンから片道6時間も離れた所に住んでいるので、病院には家から通うことが出来ませんし、飼っている2匹の犬を預けられる人がいないから奥さんはメルボルンに来れないとか、叔父さんはどこに住んで誰が世話をするかとか、いろいろ問題があったんですが解決したそうです。

病院の近くに家を借りることが出来たからです。Airbnb(エアビーアンドビー)で見つけたそうです。その家は犬を飼っても良いということなので、奥さんと2匹の犬も一緒に6週間その家に住んで叔父さんは治療に通うことが出来るのです。

うちの夫は叔父さんと親しい仲なので度々電話で話していますが、最近の叔父さんは会話が難しくなっているそうです。舌の腫れのせいで発音が難しくなっているからです。

私達が叔父さんの家に泊めてもらった頃は、言われなければ首の腫れにも気が付かないくらいだったのですよ。あれから2ヶ月、がんの進行はとても速いようです。

飲食が困難になって来たために随分痩せたそうですしね。これからは胃ろうになるのでさらに痩せるでしょう。

それでも叔父さんはポジティブです。

1日目の放射線治療はたったの5分で終わってしまって他にすることも無いので、せっかくメルボルンにいるんだし何か楽しいことをしようということで、うちの夫の父親が運転して二人で自動車の博物館に行ったんですって。

叔父さんはホールデンというオーストラリアの自動車メーカーの車のファンなのです。ホールデンは2020年に車の製造を終了しました。そのホールデン車の博物館というのが、トラファルガー(Trafalgar)という小さな町にあるんだそうです。

その博物館に行って大好きなホールデンの車をたくさん見て、叔父さんは大変楽しかったそうです。まだ元気なうちに一つ楽しいことが出来て良かったなあと思いました。

今日は、うちの夫が仕事が休みなので叔父さんに会いに行くそうです。

メルボルンに滞在している間は、家族と頻繁に会うことが出来るのは良いことの一つですよ。出来るだけたくさん楽しいことをして欲しいと願っています。


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2024年11月19日

犯罪者へのカウンセリング

このブログでは、心理カウンセラーになるために大学院で勉強を続けているうちの娘のことを度々話題にして来ました。

摂食障害に関する研究論文を先月提出したので、後は実際にカウンセリングを行った時間が所定の時間数になれば卒業出来るはずなんだそうです。

昨年は大学内のクリニックで研修を行いました。今年の1月から6月までは病院のリハビリテーション科で研修を行い、7月からは司法精神医療施設で研修をしています。

この司法精神医療施設という所について度々話題に取り上げて来たわけなんですが、「フォレンジック・ディサビリティー・サービス」(Forensic Disability Services)と呼ばれるものの一部なんです。

施設にも種類がいろいろあるんですが、簡単に言うと知能障害や精神障害のある犯罪者の社会復帰のために治療(カウンセリングなど)とサポートを提供しているんです。

研修で何をしているかと言うと、実際にクライアント(患者)を相手にカウンセリングを行っているのですよ。経験のある心理カウンセラーである教員から指導を受けながら。

司法精神医療施設では、犯罪者の精神鑑定とかプロファイリングの仕事もあるのですけど、犯罪者と一対一でカウンセリングもしているのです。

うちの娘は大学院卒業後の進路としてここを考えていたそうなんですが、今はもうそんなことは全く考えていません。早く所定の時間数に達して研修を終えることを待ち望んでいると言ってもいいです。

それは司法精神医療施設の現実を知ったからですよ。

実際に就職してからではなくて、研修中にそれを知ったことは良かったと思います。「フォレンジック・ディサビリティー・サービス」の方からは、大学院卒業後に引き続き働いて欲しいと言われたそうですが、本人にはもうその気はありません。

先月末に「スタッフが襲われたそうです」という記事に書きましたが、あれが大きな転機になりました。

娘が働いている施設は複数あって、一つは知的障害のある性犯罪者を収容している医療刑務所みたいなところです。スタッフが襲われたのはそこです。

先週もまたそこで事件が起きて、警察が出動したそうですよ。

別の施設では、殺人犯やワイフビーター(Wife-beater)つまり妻に暴力を振るった人などを相手にカウンセリングをしていますが、先週はその施設が入っている建物内のドアのガラスが割られたそうです。

暴れてドアのガラスを割ったのは女性の犯罪者でした。娘がカウンセリングをしている殺人犯というのも女性です。女だからと油断は出来ないのでございますよ。

クライアントとなる犯罪者のほとんどは男性です。特に医療刑務所みたいな施設に収容されている性犯罪者は、全員が男性です。そういう施設で若い女性の心理カウンセラーが働くことの危険は、火を見るよりも明らかじゃあないですか。

「フォレンジック・ディサビリティー・サービス」には多額の税金が使われているんですが、それでも現状のままでは十分なことは出来ないと娘は言います。組織の運営にも問題があると感じているそうです。

実際に犯罪者と接して話を聞いて来た娘は、彼等は被害者でもあるんだと言います。親や家族や社会の誰かから虐待やいじめを受けて育ったんだと。そして、知的障害のために様々なことを正しく判断することが出来ないし、他の犯罪者に搾取されたり被害を受けたりもしているんだと。

何とか彼等の社会復帰を支援したいけど、この研修が始まってから今まで、自分が誰かの助けになった実感も無いし、何も達成出来ていないと落胆しています。

難しい仕事ですよ…

それに加えて、こうした施設で働く危険やストレス、先日スタッフが襲われるのを目撃したことのトラウマなど、いろいろ理由はあるんでしょうけどね。今後の進路として、この仕事は選択肢から消えたと言うので、私は正直なところホッとしました。


知的障害のある性犯罪者が収容されている施設に関しては、限られた人数の犯罪者に年間数億円という多額の税金を使ってこんなサービスをやっても意味がないと批判する人も多いんですが、治療を受けずに社会に出た場合の再犯率は5人に3人、治療を受けて社会に出た場合は5人に1人だそうですから、意味が無いとは言い切れませんけどね。

何ヶ月も何年もかけて治療をし、もう大丈夫だと判断して社会復帰した小児性愛者が、すぐにまた幼児を襲ったというケースもあったそうです。居場所を24時間GPSで監視していたのにです。

そういう人は、ずっと隔離しておいた方が社会のためだと思ってしまいますよ。あるいは、強制的な科学去勢を導入するとか。犯罪者の人権を重視するあまり市民が被害に遭い続けるというのは納得が行きません。

障害者支援のための政府予算の多くが、一般の障害者支援のためではなく、この「フォレンジック・ディサビリティー・サービス」すなわち知的障害のある犯罪者の社会復帰支援のために使われているというのも納得いきません。

まあとにかく、あと1ヶ月半、うちの娘が無事にここでの研修を終えてくれることを祈っています。


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2024年11月18日

当てにならない花粉予報

今は花粉症シーズン真っ只中ですから家から出るのが億劫なんですが、スーパーの買い物はしないわけには行きません。買い物に行くかどうかは花粉飛散予報をチェックしてから決めるんですけど、花粉飛散予報は当てにならないんですよ。

予想される花粉の量によって花粉指数が「低い」から「高い」「とても高い」さらにその上の「エクストリーム」まであるわけなんですが、私は「エクストリーム」の日でも普通に暮らせたりします。

ところが、その逆もあるんです。

昨日は「低い」だったのに朝起きたら直ぐに目が痒くなり、ついついこするので目は腫れ上がり、眼球がシワシワになってゴロゴロするのが耐え難かったです。

前日暑かったので、夜になってから「エヴァポラティブ・クーラー」(Evaporative Cooler)と呼ばれる蒸発冷却式クーラーを付けたんですけど、これを使う時には窓を開けないといけません。

寝る前にクーラーは消したんですが、あまりに暑いので夜の間は窓を開けたままにしたんですよ。だから花粉が家の中に入ったんですね。暑くても窓は閉めるべきだったけど、家族に申し訳ないから悩むんです。

結局、昨日の朝はくしゃみや鼻水もひどいことになったので、窓は全部閉めて、抗ヒスタミン薬を飲んで、シャワーを浴びて目もしっかり洗い、空気清浄機を付けた部屋にいたら楽になりましたけど。

ああ、ホントに大変…

昨日は花粉指数は「低い」で大雨も降ったのに、今シーズン最悪の日となりました。薬が効かない日というやつです。こういう日は、とてもじゃないけど家の外には出られませんから、スーパーの買い物なんて不可能なのでございます。

今日も花粉指数は「低い」です。今の気温は11度と寒いくらいです。目は痒くないけどくしゃみは出ています。抗ヒスタミン薬を飲んでマスクをしたら、スーパーくらいなら行って来れるかもしれません。


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2024年11月17日

ハイキング旅行と月の写真

マウントバッファローにハイキング旅行に行っていたうちの息子が、昨日の午後4時頃、無事に帰って来ました。

朝早いうちにマウントバッファローを立っていました。もっとゆっくり遊んで帰ればいいのにと私は思ったんですけど、足は水ぶくれだらけだったらしいし、2日間もマウントバッファローで過ごしたので、もう十分だったのかもしれません。

お昼過ぎには帰って来るだろうと思っていたんですが、途中でお店に寄ってランチを食べたりしたようですし、借りたカメラを返しに義弟(うちの夫の弟)の家に寄るために山の中の道を帰って来ましたから思ったより時間がかかりました。

それに、息子は義弟の家でゆっくり時間を過ごしたんですよ。

実は私は、GPSで居場所が分かるアプリで息子がどこまで帰って来ているかを度々チェックしていたんです。というのも、昨日はスーパーへ買い物に行かなくてはいけなかったんですが、暑かったので歩いてスーパーへ行きたくなくてね。

息子が私のカローラで旅行に行きましたから、車がないわけですよ。だから、息子が帰って来てから行こうと思って待っていたんですけど、息子はずいぶん長い間、義弟の家にいました。

それが昨日一番嬉しかったことです。

ソーシャライジング(Socializing)という言葉があります。社交的に他人と交際するとか人付き合いをするという意味ですが、うちの息子が一番苦手なのはそれなんですよ。メンタルが落ち込んでいた間は誰とも会わず、親しい友人とオンラインで会話するだけでした。

そういう息子がですね、一人で叔父さんの家に行って、そこで1時間近くも過ごすというのは今まで無かったことなんです。以前の息子なら、カメラを返してすぐに帰ったでしょう。これもまた良い変化だなと思って嬉しかったです。確実にメンタルヘルスの問題は改善しています。


さて、旅行の目的だった「スーパーフルムーン」ですが。

金曜日のマウントバッファローの月の出は午後7時半頃。日の入りは8時でした。つまり日が沈む前に月が出て来たわけです。

月は大きかったそうですよ。偶然に飛行機雲が地平線にぶつかる辺りから出て来たんですって。まるで隕石の落下みたいですけど、不思議な光が月から伸びているみたいに見えるのは飛行機雲なんですって。


しばらくの間、東と西の空に同じくらいの大きさの明るい天体が2つある状態だったので「スターウォーズみたいだった」そうですよ。

ただし、月の写真は上手く撮れなかったそうです。

借りていった夜空を撮影するためのカメラだと露出が長くなるので、月を撮るとやたらに眩しい光だけになってしまったそうなんです。やはりシロウトには難しいということなんでしょう。

この日の夜は雲一つ無い真っ黒な空だったことも、月の写真が上手く行かなかった理由だそうです。巨大な真っ黒な空に白い丸が一つあるだけという状況ですからね。雲でも出ていたら良かったのにと言っていました。

月の写真はうまく撮れませんでしたが、月の光のせいで不思議な写真が撮れていました。息子の一番のお気に入りはこの写真だそうです。日が沈んだ後の西の空を背景にしたこの木は、東の空の月の光に照らされてこんなに明るく見えているんです。


テントを張った森の中も不思議な景色だったそうですよ。夜中に目が覚めたらあまりに明るいから朝が来たのかと思ったらまだ夜中。テントから出てみると…


朝かと思ったのは月の光のせいでした。森の木々もはっきり見える明るさです。


昨夜は、晩ご飯のカレーライスを食べながら、写真を見せていろいろ話を聞かせてくれました。ヘトヘトになって帰りましたが、充実したハイキング旅行が出来たようです。

ところで、一日目にキャンプ場所で知り合った70歳の男性ですけど、ガイドブックにも載っていないルートを教えてくれた人ですが、この方はハイキング歴50年の大ベテランで、今でも一人でハイキングを楽しんでおられるそうです。

この方のオススメは、タスマニアとニュージーランドだそうですよ。特にニュージーランドにはハイキングに最適な素晴らしい場所がたくさんあるし、ハイキングが趣味の人が多いので設備が充実しているんだそうです。

息子も行ってみたいと思ったでしょうね。ぜひいつか行って欲しいです。行ってみたい所にどんどん行って、やってみたいことを何でもやってみて、とにかく人生を楽しんで欲しい。それが私の願いです。


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