2025年6月13日

うちの娘は転職します

このブログには、日本にいる私の家族に我が家の近況を知ってもらうという目的もありますので、今日はうちの娘の近況報告です。

娘は今月末をもって転職することになりました。

あるクリニックに勤め始めたのが今年の2月。まだ半年にもならないんですが、勤め始めてすぐにいろいろ問題があることが分かったそうです。一番の問題は、娘が必要としているサポートが得られないことでした。

大学院を出たばかりの娘は、臨床心理士としてまだ一人前ではありません。最初の2年間は研修や指導を受ける必要があるのに、それが許可されない、あるいは指導が得られないという致命的な問題でした。

娘が勤め始めたのは「痛み」の治療を専門に行うクリニックです。病気や怪我が原因で身体的な痛みがある人は多いですが、痛みが強かったり慢性化するとメンタルヘルスにも影響します。身体的な痛みの原因が、深刻な事故や火災だったりする場合もあり、そうした人はトラウマに苦しんでいることが多いです。

そうした人達にカウンセリングを行うのが娘の仕事なんです。

クリニックには、専門医師と臨床心理士が合計で十数人いると聞いていましたが、全スタッフのうち女性はうちの娘だけというのは特異でした。(もう一人いたんですけど、その人は辞めたんです。)

メルボルン各地でクリニックを運営している会社ですが、娘が辞職願を出した時点で他にも3人の臨床心理士が辞めていたそうです。そして、会社の人事部の責任者も辞めたそうです。スタッフが次々に辞めて行く会社には、何か問題があるんですよ。


うちの娘は、もちろん辞職願を出す前に新しい仕事を見つける必要がありましたので、ずっと求職活動をしていたんです。そして、仕事が見つかったから辞めることにしたわけなんですけど。

新しい仕事は司法関係だそうです。クライアントは犯罪者なんです。

犯罪者が相手の仕事と聞いて驚いた方もいらっしゃるでしょうが、娘は昨年半年間、司法精神医療施設で研修を行ったんですよ。「フォレンジック・ディサビリティー・サービス」(Forensic Disability Services)と呼ばれるものの一部でした。

その施設は、簡単に言うと知能障害や精神障害のある性犯罪者が収容されている刑務所病院のような施設でした。幼児に性的暴行を加えて逮捕された小児性愛者の若者とか、殺人を犯した人もいましたよ。

研修期間中には、女性スタッフの1人が収容されている犯罪者に襲われるのを目撃するという出来事もありましたし、非常にストレスをためた半年でしたが、新しく勤めることになったのはクリニックで、犯罪者が収容されている施設ではないそうです。

スタッフのほぼ全員が女性だそうです。司法精神医療施設での研修で知り合った人が偶然そこに勤めていることが分かり、その人から大変良い職場であると聞いたそうですから、上手く行くことを願っています。

ただし、こういう仕事をフルタイムでするのは大変なので、週3日のパートタイムで勤めるそうです。ですから、娘はもう一つの仕事を探しています。一般の心理クリニックか公立病院での仕事を希望しているそうです。

臨床心理士が複数の職場に勤めることは、一般的なことだそうですよ。

早くいい仕事が見つかるといいです。


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