昨日の為替レートで計算すれば、100万オーストラリアドルは9700万円くらいらしいんですが、物価を比べた感覚からすればもっと高いと感じます。1ドルが100円と単純計算すれば1億円というわけです。
田舎の方ではそれほど高くはないですけど、メルボルンに近いエリアだと数億円ですよ。本当にもう、オーストラリアの一般的所得の労働者にとって家を所有することは文字通り夢となりましたね。
私達が現在住んでいる家の近所で、1軒の古い家が取り壊されて、その敷地に4軒の家が建てられた話は以前に書きました。一軒一軒が独立したユニットと呼ばれる家だと思っていたんですが、全部がくっついて建てられているタウンハウスでした。
4軒とも2階建ての小さな家なんですけど、道路に面した家は前庭があってガレージにも入りやすく、一番ゆとりがあるように見えます。やっと完成して売り家の看板が出たのはつい先日のこと。150万ドルくらいで売りに出ました。単純計算で1億5千万円ですけど、昨日その家の前を通った時に見たら「SOLD」(売却済み)のシールが貼ってありました。
この辺りはボックスヒルという街に近くて、公共交通の便も良く、非常に便利なエリアなので住宅価格は平均以上です。小さい家ですが場所がいいのでそのくらいの値段になるんでしょうけど、1億5千万円ですよ。平均所得の労働者には不可能な買い物です。
そこにあった古い家を買って取り壊し、4軒のタウンハウスを建てたのは中国系の不動産屋でした。働いていた作業員達も皆んな中国人でした。おそらく買ったのも中国人だと思いますよ。メルボルンでは経済力のある中国人達が次々に家を買っていますから。
メルボルンには低所得者向けの住宅が無いわけじゃあないんですが、全く数が足りていません。賃貸住宅の家賃も高騰しているので、家計の消費支出に占める住宅費の比率はますます高くなっています。
世界で最もマイホームに手が届かない国とBBCのニュースに書いてありましたけど、それは納得です。ただし、手が届く地域もありますよ。人口の少ない、病院もないような暮らすのに不便な田舎に行けば、平均所得の人ならマイホームに手が届くでしょう。
喉のがんになったうちの夫の叔父さんは、そういう田舎に素晴らしい家を持っていますけど、買い物が出来るお店も無い不便な所です。メルボルンまで車で片道4時間くらいかかります。叔父さんはバスと電車を使って6時間かけて通勤しているんですけど。
私はいつも言っています。不便な田舎の素晴らしい家に住むよりも、便利で文化的な街に近い小さなアパートに住む方がいいと。車の運転が出来なくなれば、選択肢は限られますよ。
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