2025年4月12日

ジェイムス・ブラントの曲「モンスターズ」

最近毎日のように見ている動画があります。

同じ動画を繰り返し見ているわけじゃあないんです。同じ動画を見ている人達のリアクションの動画をいろいろ見ているんです。

YouTube にリアクション動画というのがたくさんあるんですよ。映画やTVドラマを見たり音楽を聞いている自分のリアクションを撮影して、それについての感想とか評価などを話す場面を加えた動画を公開している人が大勢いるんです。

きっかけは、YouTubeにおすすめ動画として表示されたTV番組「アメリカン・アイドル」のオーディションシーンでした。オーディションで1人の若者が歌ったのが「モンスターズ」という曲だったんです。

「モンスターズ」は、ジェイムス・ブラントという英国人シンガーソングライターの作品です。ジェイムス・ブラントさんは、世界的に大ヒットした(というか大ヒットし過ぎて嫌われる原因にもなった)「ユア・ビューティフル」(You're Beautiful)という曲で有名です。私もその曲だけは聞いたことがありましたけど、その曲を歌っている人の名前は知りませんでした。

ジェイムス・ブラントさんのお父さんが、ステージ4の慢性腎臓病になられたんだそうです。腎臓の移植手術が必要だったそうですが適合する人が見つからず、お父さんが病気で亡くなられる可能性が出て来たわけですよ。その時に、お父さんへの自分の気持ちを歌にしたのが「モンスターズ」だそうです。人生が終わろうとしている父親に別れを告げる息子の心情を歌った曲です。

この曲のミュージックビデオが感涙必至なんです。

ワンテイクで撮影されたそうです。ジェイムス・ブラントさんがカメラに向かって歌っているだけですが、歌っているジェイムス・ブラントさんは、明らかに感情的になって目に涙が溢れて来ます。こぼれそうな涙をこらえながら歌っています。途中からお父さんが隣りに座っていることが分かります。

「成長して大人になった男同士として別れを告げる」という歌詞があります。「お父さんの間違いは僕が知っている、僕の間違いはお父さんが知っている、許し合う必要もないし忘れる必要もない」「お父さんが眠っている間に、僕のことを誇りに思ってくれるように頑張るよ」「安心して目を閉じて、今度は僕がモンスターを追い払う番だから」と歌うんです。


この曲のリアクションを撮影している人達のうち、特に強いリアクションを見せるのは男性達です。

「息子」にとって「父親」というのは、いつかは男として対等になり、そして超えて行くべき人です。息子は自分が一人前の男になったことを父親に証明したいものだし、父親に自分のことを誇りに思って欲しいものだとリアクション動画の男性達は話します。

母親と娘との関係性とはだいぶ違いますね。

「モンスターズ」を初めて聞く男性達は、1番の歌詞の途中で、この曲が死にゆく父親に別れを告げる息子の心情を歌っていると分かるやいなや動揺します。2番の歌詞になると、皆さん涙を流します。

お父さんが隣りに座っていることが分かった瞬間に強いリアクションを見せる人も多いです。号泣する人もいます。カメラの前で泣きたくないのか、曲を途中で止めて退席する人もいます。

自分の父親や祖父を亡くした経験がある男性達は、かなり激しく泣きますよ。下の動画の方は、始まり部分では随分チャラいんですけど、大好きだったお父さんを病気で亡くされていて、歌詞の全てが自分の経験と重なると言って涙を流します。最後にいいコメントをするんですよ。


リアクション動画を撮影している人達の中には、複雑な親子関係だった人達もいます。中にはこれまで他人に話して来なかった父親への気持ちをカメラに向かって話す人もいますし、自分にとって大事な人を亡くすということについて心に響くコメントをする人もいます。

こういう感情というのは、人種や民族が違っても共通ですね。「モンスターズ」は大ヒット曲ではないようですけど、多くの人々の心に響く名曲だと思います。


ちなみに、ジェイムス・ブラントさんのお父さんは、幸いなことに腎臓が適合した遠縁の従兄弟さんから腎臓の提供を受けて生体腎移植手術を受けられました。現在はお元気になられているそうです。

お父さんの名前は、チャールズ・ブラントさんとおっしゃるんですが、腎臓を提供した従兄弟さんも同じチャールズ・ブラントさんだったので、間違えないように手術前にはおでこに「あげる人」「もらう人」とマジックで書いたという逸話をどこかで読みましたよ。

お父さんのチャールズ・ブラントさんも、腎臓のドナーだったそうです。残った1つの腎臓が慢性腎臓病になったんですね。移植が必要だったのに、適合するドナーがなかなか見つからなかったそうなんですけど。

うちの夫も腎臓を提供したので1つしかないわけですが、腎臓病になるんじゃあないかと心配しています。ホントに食べ物に気をつけていませんし、減量にも取り組んでいませんからね。

夫にはずっと健康でいて欲しいのですよ。


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