現在裁判が行われている「毒キノコ殺人事件」ですけど、殺人容疑で逮捕されたエリン・パターソン容疑者が「ビーフ・ウェリントン」というパイ料理に使った毒キノコは、「デスキャップ」(Death Cap または Deathcap)と呼ばれるキノコでした。
Wikipedia によると、デスキャップの学名は「Amanita Phalloides」で、日本では「タマゴテングタケ」と呼ばれるそうです。「致命的な毒キノコの一つとして世界的に知られる」と書いてありますよ。デスキャップの毒は、肝臓と腎臓を破壊するんだそうです。
ヨーロッパに広く分布しているそうですが、オーストラリアにはヨーロッパから輸入された木材や樹木によって持ち込まれたようです。
「Death Cap」というキーワードで画像検索すると見たことがあるようなキノコの画像がたくさん表示されます。一昨年まで私達家族が住んでいた家の敷地内に生えていました。ただし、あれがデスキャップだったかどうかは、私には分かりません。
オーストラリアには、「食べられる野生のキノコ」と「食べられる野生のキノコにそっくりな毒キノコ」というのがたくさんあるのです。見分ける方法は無いそうです。
例えば、デスキャップは傘が緑っぽい色をしているから分かると言う人もいますが、緑っぽくないのもあるし茶色っぽいのもあるんです。地面に出て来てすぐの頃は真っ白で、お店で売られているマッシュルームにそっくりです。
これを間違って食べると、味は美味しいそうですから誰も毒キノコとは気づきませんが、デスキャップの致死量は20セント硬貨くらいの大きさだそうですから、1個食べると死ぬ可能性が大きいです。
そんなすごい毒キノコなので、人類の歴史上、暗殺に使われたこともあるそうです。「毒キノコ殺人事件」のエリン・パターソン容疑者のように、誰かを殺したいと思ったら(思ったかどうかはまだ分かっていませんが)比較的容易に手に入る毒なのです。
いたる所に生えていると言われていますが、どこにでも生えているわけではありませんから、デスキャップで誰かを殺したいと考える人にとっては、どこに生えているかが分かると助かるわけですよね。
「毒キノコ殺人事件」の裁判で明らかになったことですが、そういう情報をユーザー同士で共有するウェブサイトがあるそうです。もっとも、毒キノコに限った情報ではなくて、自然愛好家の皆さんが自然観察中に見つけた鳥や昆虫や植物や菌類の写真を撮って、その写真を撮った日時や場所などの情報を共有するサイトなんだそうです。
そうした観察情報から、専門家の科学者達が「新種のカブトムシ」や「絶滅したと思われていた植物」を見つけたりする可能性があるのです。
そのウェブサイトは「iNaturalist」といいます。
「毒キノコ殺人事件」が起きた年の4月、あるユーザーがエリン・パターソン容疑者が住む町の近くでデスキャップを見つけたという観察情報をアップロードしました。エリン容疑者は、その直後にデスキャップが見つかったという場所に行っていたことが、スマートフォンのデータから分かったそうですよ。
そして、その直後にフードディハイドレーター(食品乾燥機)を購入しているんです。
5月になってから、別の場所でデスキャップを見つけたという観察情報がアップロードされました。この時も、エリン容疑者はその場所に行っているんです。
何らかの目的でデスキャップを採集し、乾燥させて保存していたと思われますね。
私も、そのウェブサイトで「death cap」というキーワードで探してみたんですけど、たくさんの観察情報がアップロードされていました。世界中の情報です。ヨーロッパが多かったですけど、オーストラリアの情報もありましたし、私が住んでいる街の近くでも見つかっていましたよ。
デスキャップを手に入れたい人は、このウェブサイトを定期的にチェックしていれば生えている場所が分かるわけです。ただし、私のようなシロウトには、見つけたキノコがデスキャップなのかデスキャップにそっくりだけど食べても大丈夫なキノコなのか区別がつきません。
シロウトには、本当にデスキャップかどうかは食べてみないと分からないでしょう。致死量以下でお試しください。
病院に行く準備もしておいた方がいいでしょう。ニュースになる可能性が大きいので、名前が警察に知られる可能性があることを承知の上でおやりください。
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